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「玄海原発再稼働は佐賀県知事の意向尊重」 「新潟ショック」最小限に

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「玄海原発再稼働は佐賀県知事の意向尊重」 「新潟ショック」最小限に

 佐賀県内20市町の首長と知事が意見交換する会合が17日、佐賀市内で開かれ、九州電力玄海原発(同県玄海町)の再稼働について議論した。2市長が再稼働反対を表明しながらも、最終的には山口祥義知事の意向を尊重する考えを示した。「新潟ショック」の佐賀への波及は最小限に抑えられそうだ。今後、山口氏に「地元同意」の取りまとめが託される。(高瀬真由子)

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 16日に投開票された新潟県知事選では、原発慎重派が勝利し、佐賀県を含め原発立地県への波及が懸念される。山口氏は会合終了後、「この問題には実直に真摯(しんし)に向かい合い、まっすぐやるだけ。新潟がどうだからというのは関係ない」と語った。

 会合では、原発について7市町の首長が発言した。口火を切ったのは、以前から再稼働反対を打ち出している伊万里市の塚部芳和市長だった。

 塚部氏は「再稼働をしない中で、新たな代替エネルギーを考えたほうが将来的にはよい」と持論を展開した。ただ「(市に)再稼働に対する権限はない。最終的には玄海町長、知事の判断結果を容認し、尊重したい」と語った。

 続いて、神埼市の松本茂幸市長も反対の意向を表明し、「一定の決定が出たら、私たちは同じ県の中で(進んで)いかないといけない。九電から、安全について納得のいくような説明があれば、市民に説明ができる」と語った。

 両氏とも、山口氏が再稼働に同意した場合は、反対の矛を収める姿勢を示したといえる。

 佐賀市の秀島敏行市長は「ほとんどの方が原発に頼らないエネルギー政策を望まれている。ただ、脱原発であっても即原発廃止は現実的には、ないのではないか。代替エネルギーの確保や道筋がないまま、原発を廃止し、火力発電にまわせば、地球温暖化が心配だ」と主張した。

 玄海町の岸本英雄町長は「(10月12日に)東京で停電があったが、火力や水力、太陽光だけに頼っていたら、九州でもあの事態を招く。当分の間、今ある原子力発電所を安全に、上手に使っていくしかない。安定的な社会生活に佐賀県が寄与できることは、すばらしいことだ」と語った。

 山口氏はこれらの意見を踏まえ、今後の対応を検討する考えを示した。再稼働について幅広く意見を聞くため、専門家らによる委員会や専門部会を設ける予定も示した。玄海原発3、4号機は、原子力規制委員会の審査が大詰めを迎える。九電は9月20日、規制委での議論を受けた安全対策の補正書を提出した。規制委は今後、合格証の原案にあたる「審査書案」を取りまとめる。順調に進めば、年内にも合格が決定する見通し。

 九電は平成28年度内の再稼働を目指すが、これまでのケースでは審査終了から再稼働まで1年以上かかっており、年度内は困難との見方もある。