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大雨や台風続き…日照不足直撃 野菜不作に農家悲鳴 千葉

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大雨や台風続き…日照不足直撃 野菜不作に農家悲鳴 千葉

 台風や大雨で東日本の広い範囲で天候不順となった9月、県内でも日照時間が例年より少なく、農作物への影響が出始めている。8月22日に台風9号が館山付近に上陸し、その後の日照不足は農家にとって手痛い打撃となった。今月下旬に出荷が始まるニンジンなどはサイズが例年より小さくなったり、出荷時期が遅れたりすることが予想され、家庭の食卓にも影響を及ぼしそうだ。

 ■「自然相手だから…」

 「ここ数年、こんな被害はなかった。もうしばらく雨は降らないでほしい」。八街市の「ハナシマ農園」で約45年間ニンジンを栽培している花嶋和夫さん(62)は畑でニンジンの出来を確かめ、ため息交じりにつぶやいた。例年4トンほどの収穫があるが、今年は約3トンまで落ち込む見込みという。

 銚子地方気象台の速報によると、9月1~10日は好天に恵まれたが、同11~20日は本州南岸に停滞する前線の影響などで、日照時間は銚子11・0時間(平年48・1時間)▽千葉7・7時間(同40・1時間)▽館山8・4時間(同47・8時間)▽勝浦9・8時間(同49・9時間)-と深刻な日照不足に。同21~30日も日照時間は平年より少なく、同気象台は7日、9月の月間日照時間が「千葉、館山、勝浦は平年に比べかなり少なく、銚子は平年に比べ少ない」とする気象概況を発表した。

 花嶋さんによると、同園では大雨でニンジン畑が水に漬かるなどの被害があった。その後も日照不足が続きサイズが例年より小さく、出荷の時期も1週間ほど後ろにずれ込むという。

 価格にも響く。例年1キロ当たり約150円が約200円になる見通しだ。花嶋さんは「手塩にかけた野菜が駄目になるのは悲しいが、自然相手だから防ぎようがない」と肩を落とした。

 ■安定供給に数週間

 ニンジンだけではない。船橋市印内の小川和也さん(51)は、ハウスと露地の両方でコマツナを栽培するが、露地物が痛手を被った。「収穫は半減しており、今は高値だが今後が心配だ」と、表情を曇らす。

 通年栽培のコマツナは30日ほどで収穫できるが、9月の発芽直後に水をかぶった露地物の種は生育が悪く、収穫できるか分からないという。350グラムを一束にまとめて出荷するが、通常は10~15本のところ、現在は20本以上必要になる。出荷量も通常の半分ほどの1日180束で、価格は一束250円前後と通常のほぼ倍額となった。「天気が回復しても安定供給までにはまだ数週間必要だろう」と嘆く。

 ■食卓影響避けられず

 船橋市の青果販売会社「長印船橋青果」野菜部の恩田雅章副部長は「県産品では、例年今月初旬ごろから出荷されるホウレンソウやシュンギクなどの出荷時期が1週間ほど遅れている。品数も少なく、例年より価格が2、3割高い」と話す。県産以外でも、福島産のブロッコリーや北海道産のジャガイモなどが品薄になるとみられるという。

 気象庁は今後、日照時間は平年並みになるとの見通しを発表している。恩田副部長は「今後の天候が順調であれば、野菜の品質などは次第に例年並みに回復する」とみているが、当面は食卓への影響も避けられそうにない。