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【直撃!突撃!ちばの現場】浦安市新庁舎前の境川 沈没船33隻、美観台無し

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【直撃!突撃!ちばの現場】
浦安市新庁舎前の境川 沈没船33隻、美観台無し

 ■市、所有者調査も難航

 浦安市の中心部を流れる境川のほとりには、新築になった市庁舎が躯体の白さも優美に建つ。だが、目の前の川には無残な姿をさらして放置された多数の沈没船。周辺の美観が台無しだ。市は沈没船の所有者照会などの調査に乗り出し、処分を求める方針だが、調べは難航しているもよう。秋になりますます寂しい沈没船の現場を歩いた。 (塩塚保)

 境川沿いの敷地(同市猫実)に浦安市の新庁舎が完成し、開庁したのが6月。だが、多くの市民が訪れる真新しい庁舎の前を流れる境川には、市の新たなシンボルとは対照的に、ボロボロの沈没船が目立つ。

 橋を渡って市庁舎対岸の東野地区に入り、堤防に沿って進む。「この河川に係留している船舶は洪水時などに危険を誘発するので速やかに撤去してください」と記された看板が立つが、警告は無力のようだ。

 堤防に赤茶け、さび付いた鉄製の階段が設置されている。乗船用らしいが、崩壊寸前で危険な状態だ。目の前の川には全長10メートルほどの遊漁船らしき船が傾き、甲板は水浸し。緑のビニール製覆いが裂け、風に揺れる。別の船は完全に水没。ひっくり返り、船底をさらしたままの船も数隻ある。

 境川は旧江戸川の分流で東京湾に注ぐ。周辺には住宅や学校、公共施設などが建ち並ぶ。一部地区では両岸にテラスや遊歩道が整備され、市民の憩いの場や散歩コースになっている。

 近くに住む元会社員、高木秀和さん(73)は「十数年前からこんな状態。新庁舎の目の前なのに景観が台無しだ。所有者は船を使わないのなら、自分で処分すべきだ。行政も放置せずに対応してほしい」と話す。

 市民の要望も多く、市はこの夏、調査を始めた。市によると、沈没船は境川の右岸(東野-富岡地区)に10隻、左岸(猫実-美浜地区)に23隻-の計33隻。担当者は「本来、所有者が処分すべきだ。所有者の照会を進めているが、きちんと登録していない例が多く、苦戦している」と説明する。

 沈没船の処分費用は、台船や重機が必要となることもあり、1隻当たり数十万~数百万円かかるという。市は「所有者が判明しない場合、市が処分せざるを得ない。来年3月までに処分か移動を行い、美観を取り戻したい」と話した。