産経ニュース

【熊本地震】被災ペット収容パンク状態 県、協力支援要請に奔走

地方 地方

記事詳細

更新

【熊本地震】
被災ペット収容パンク状態 県、協力支援要請に奔走

福岡市が熊本県の動物管理センターから受け入れた犬=福岡市東区 福岡市が熊本県の動物管理センターから受け入れた犬=福岡市東区

 熊本地震の混乱で飼い主とはぐれた犬や猫などのペットを保護する熊本県動物管理センター(熊本市東区)が、パンク状態に陥っている。一連の地震後、殺処分を見送ってきたこともあり、収容数が限界を超えた。熊本県は全国の自治体への受け入れを要請し、「被災犬・猫譲渡会」を開くなどの対策に奔走している。(谷田智恒)

                   ◇

 熊本県の蒲島郁夫知事は7日の記者会見で「地震ではぐれたペットは処分せず県で預かってきたが、収容能力が限界に来ている。全国の自治体や、ペットを飼いたい人には協力してほしい」と呼び掛けた。

 それに続き「被災ペット」の一時的な受け入れや新たな飼い主探しへの協力を求める文書を全国の計110を数える自治体に送った。

 県によると、一度目の大きな揺れがあった4月14日から8月26日までに飼い主とはぐれ、県動物管理センターと県内10カ所の保健所で保護した犬は634匹、猫は877匹にものぼる。

 このうち174匹は無事飼い主の元に戻った。764匹は新たな飼い主を見つけた。だが、約300匹は同センターなどで収容されたままだ。

 野良犬や野良猫なのか、ペットなのかと見分けが付かず、県は「飼い主が引き取りに来るかもしれない」とすぐには殺処分に踏み切らない。ただ、飼育スペースが足りず、研修室や車庫まで使い、保護する事態になっている。

 県はこの間、災害時の応援要請の手続きに基づき、福岡県や福岡市などに計11匹を預けた。だが、問題の解決はそう容易でない。

 福岡市は7月25日に熊本の同センターから7匹の犬を受け入れた後、インターネット上で飼い主を募集した。だが、引取先が決まったのはわずか2匹にとどまった。

 同センターは預かった犬や猫の不妊・去勢手術をしたり、人に慣れるようトレーニングを行い、万全の譲渡態勢を取る。それでも、引き取り手は頭打ちだ。

 熊本市東部動物愛護管理センターの吉柳善弘所長は「メディアに取り上げてもらって息長く、1人でも多くの飼い主を探したい」と話す。

 捨て犬や捨て猫の増加は社会問題化し、これ以上、受け入れる余裕はない。ならばと、県はホームページなどを活用して被災ペットの情報発信を強化し、地道に引き取り手を募る。

 9月25日午前10時、熊本県動物管理センターでは「被災犬・猫譲渡会」が開かれる。本人や住所を確認できる運転免許証などと、リードといった、犬・猫をその場で連れて帰るための道具を持参するのが必要だ。同センター(電)096・380・3310。