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コウノトリ保護、一石二鳥狙う 農作物ブランド化や観光誘致 越前市や豊岡など取り組み 福井

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コウノトリ保護、一石二鳥狙う 農作物ブランド化や観光誘致 越前市や豊岡など取り組み 福井

 国の特別天然記念物コウノトリの保護活動を町おこしにつなげようという動きが広がっている。日本初の人工繁殖と放鳥に成功した兵庫県豊岡市、同市から卵を譲り受けて飼育に取り組む越前市、千葉県野田市などが飼育とともに、農産物のブランド化や観光客誘致に取り組んでおり「一石二鳥」を狙う。

 ◆付加価値

 「また戻ってこいよ」。昨年10月、越前市白山地区の田んぼで、県が2羽のコウノトリを放鳥、同地区で農業を営む恒本明勇さん(69)ら地域住民が見守った。卵を豊岡市から譲り受け、越前市内の飼育施設で孵化(ふか)させた。今年も新たに放す予定だ。

 日本のコウノトリは、1960年代の農薬の多用で、餌となるカエルやドジョウが減少したことなどが原因で昭和46年に絶滅。白山地区でも45年以降姿を消した。

 「優雅に舞う姿をまた見たい」と、平成21年、恒本さんら農家の有志が餌場となる水田の整備や無農薬米の栽培を始めた。コメは「コウノトリ呼び戻す農法米」と名付けて全国に売り出したところ評判に。

 JA越前たけふによると、農薬を使った同種米と比べ、出荷額が60キロ当たり約1万3千円高い2万4840円と高値にもかかわらず、昨年生産した42トンは完売。幅広い世代に人気があるという。「苦労も多いが、評価してもらえると、やる気が出る」と恒本さん。

 ◆意欲

 千葉県野田市も12年に飼育を始めた。市内にある飼育施設では、ガラス越しに生態を観察でき、ボランティアが案内してくれる。25年の一般公開開始以降、県内外から約3万人が訪れており、自治体関係者の視察も多いという。

 野田市でも減農薬米づくりや耕作放棄地の整備に力を入れており、農産物販売所を営む関根生夫さん(70)は「見に来た大勢の人たちに買ってもらえるような加工品の生産や販売にもつなげたい」と意欲を見せる。

 最初にコウノトリで町おこしを始めた豊岡市には、研究・繁殖施設のある公園に毎年約30万人が訪れている。周辺には減農薬米を使った菓子やキャラクター商品を扱う店が並び、休日は観光客でにぎわう。

 ◆独自色

 豊岡市で放鳥されたコウノトリが飛来、営巣した徳島県鳴門市も農産物の販売に乗り出す。名古屋大大学院の生源寺真一教授(農業経済学)は「商品の背景にある『一度絶滅したコウノトリの復活』というストーリーが消費者を引きつけやすく、経済的効果につながる」と話し、今後も同様の取り組みが各地で広がるとの見方だ。「横並びにならないよう独自色を打ち出し、リピーターを確保する工夫も必要になる」と指摘している。