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基準地価 8年連続下落 商業地・静岡中心部に投資需要

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基準地価 8年連続下落 商業地・静岡中心部に投資需要

 県が20日に発表した県内610地点の7月1日を基準日とする地価調査によると、住宅地、商業地、工業地の平均変動率は8年連続の下落となったものの、下落幅はいずれも昨年よりわずかに縮小した。商業地については、投資物件としての需要が底堅く、中心市街地の再開発が進む静岡市葵区の全地点で上昇。住宅地は利便性と住環境がよい県東部の“駅近”など一部地域で上昇する一方、人口減少や津波リスクに直面している沿岸部の市町では引き続き下落地点が多かった。

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 用途別の平均変動率は、住宅地が前年比0・1ポイントアップのマイナス1・1%。商業地と工業地はいずれも同0・2ポイントアップのマイナス0・7%だった。

 下落幅は全ての用途で全国平均を上回ったが、地方圏の平均変動率と比べると、住宅地で0・1ポイント、商業地と工業地で0・4ポイント小さくなっている。

 基準地価が上昇した地点は、住宅地で前年より12地点減少。一方で、商業地では8地点増えた。

 全用途を合わせた平均変動率のベスト3は1位が長泉町、2位が三島市、3位が函南町だった。3市町とも首都圏への通勤圏で、新幹線が停車するJR三島駅の周辺に位置している。とりわけ長泉町は、行政による子育て支援が充実していることで知られ、津波の危険が少ない内陸に位置していることも住宅地としての人気に拍車を掛けているようだ。

 一方、平均変動率のワースト1は松崎町。西伊豆町、焼津市がこれに続いており、いずれも人口減少の進行と津波リスクという共通の悩みを抱えている。

 また、変動率の上位10地点を見ると、住宅地では8地点、商業地では10地点全てが静岡、浜松両市で占められた。調査にあたった地価調査鑑定評価員分科会の小泉喜洋代表幹事(不動産鑑定士)は、「静岡、浜松両市の中心部では数年前から投資需要が旺盛で、小口物件も地元で積極的に取引されている」とその背景を指摘する。

 とりわけ商業地では、平均価格は上昇したにもかかわらず、平均変動率はマイナスのままという珍現象も起きている。小泉氏は「静岡市中心部など一部の地価が高い地点でさらに地価が上昇する一方、全体としては下落地点が多いため、価格は上がって変動率はマイナスという結果になった」と分析している。