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焼け野原の広島に緑増やした供木運動、樹木を後世に継承を 市がカルテ

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焼け野原の広島に緑増やした供木運動、樹木を後世に継承を 市がカルテ

 原爆で焼け野原となった広島市中心部に緑を増やすため、昭和32~33年に行なわれた供木運動で寄せられた樹木を後世に継承しようと、広島市は一本一本の樹木のカルテ(台帳)を作成。今後、樹勢調査を定期的に行って、健全な状態で保全していくことを決めたことが9日、わかった。

 供木運動の木が多く植えられた平和大通りの複数箇所には、今年度中に説明板を設置。訪れた人たちに、「平和や復興への願いが託された木」であることをアピールする。また、供木運動とは別に、国内外から寄贈された寄付樹木については市民らからの情報提供を呼びかけ、記録や記憶の掘り起こしに取り組む。

 平和大通りには昭和28年に468本の樹木が植栽されたが、財政難のなかでさらなる緑化が進まなかった。供木運動は、広島市が「広島の地を永遠の緑で覆われた平和郷に」と県内全域に呼びかけて実施。同市に残る資料では9573本が県内の自治体などから寄せられ、平和大通りや平和記念公園などに植えられた。

 しかし、枯れてしまった木もあるうえ、資料だけではどの木が供木運動の木かはっきりしなかったため、市は現地調査を実施。503本は「供木の可能性がある」と判断できた。衰弱している木はなかったが、今後も健全な状態に保つため、樹勢調査を定期的に行う。503本のうち336本は「供木の可能性が高い」とみられた。うち208本が、平和大橋東側のイチョウの木など平和大通りにあった。

 また、国内外から寄贈された寄付樹木が平和記念公園に199本、平和大通りに73本あることも判明した。市緑政課ではこれ以外にも寄付樹木があるとみて情報提供を呼びかけている。