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ふじみ野プール事故から10年 あす市長ら追悼 再発防止誓う

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ふじみ野プール事故から10年 あす市長ら追悼 再発防止誓う

 ふじみ野市で平成18年7月、市営プールの吸水口に小学2年の女児が吸い込まれて死亡した事故は、31日で発生から10年を迎える。事故によって市教育委員会や管理委託業者のずさんな安全管理が明らかになり、それを教訓とした再発防止策が講じられてきた。31日にはプール跡地で高畑博市長らが献花し、犠牲になった幼い命を悼む。(宮野佳幸)

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 市事故調査委員会の報告書などによると、事故は31日午後1時40分ごろ発生。市営大井プール(同市大井武蔵野)の流水プールで、吸水口に所沢市立小手指小2年の戸丸瑛梨香さん=当時(7)=が吸い込まれ、約6時間後に救出されたが死亡が確認された。事故を受けて市内の全プールが使用中止になり、祭りが自粛・縮小されるなど地域に大きな衝撃を与えた。

 吸水口は約60センチ四方のステンレス製の柵2枚でふさがれていたが、事故発生の約10分前に、一方の柵が外れているのを別の児童が発見。監視員に伝えたが、ポンプを停止するなどの措置は取られなかった。

 報告書では、14年に県が国の方針を受けてプール排水口の防護柵を二重構造にし、取り入れ口の柵のボルト固定などを求めた通知を出していたにもかかわらず、市が改修を怠ったと指摘。「事故は『ずさんの連鎖』によりもたらされた」と断じた。11年ごろからふたが針金で固定される危険な状態で放置され、点検のためのマニュアルがなかったことも判明した。

 この事故で、当時の市教委体育課長らが安全管理を怠ったなどとして、業務上過失致死罪で有罪判決が確定。管理業務の下請け業者の社長と現場責任者には同罪で略式命令が出ている。

 事故の5カ月後、同市は委託業者が業務マニュアルを作成しているかなどをチェックする業務成績評定制度を導入。19年から毎年7月25~31日を公共施設安全点検週間に指定し、期間中は全公共施設の点検を行っている。

 県も18年8月、プールの排(環)水口による吸い込み事故防止に主眼を置いた「プールの安全管理指針」を施行。同市での事故後、県内で吸水口に関わる死亡事故は起きていない。

 大井プールは老朽化に伴い、23年2月に解体工事が完了した。現在の担当課の市文化・スポーツ振興課は「二度とこうした事故を起こさないように、引き続き安全安心な施設の提供を続けていく」としている。