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【子供を性被害から守れ】被害者総合ケア ワンストップ支援センター始動

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【子供を性被害から守れ】
被害者総合ケア ワンストップ支援センター始動

 「子どもを性被害から守るための条例」が施行されたのを受けて県は27日、性暴力に遭った被害者のワンストップ支援を行う「県性暴力被害者支援センター『りんどうハートながの』」を開設する。同日午前8時半から、24時間対応のホットライン専用電話(電)026・235・7123を設け、専門知識や経験を持つ支援・相談員が心理面や医療的措置、法律的な対応、生活、福祉に至るまで被害者に寄り添ったケアを行う。

 性暴力の被害者は行政や警察、医療機関などに繰り返して被害状況を話すことが求められ、心の傷をより深くする二次被害が懸念されている。そこで県は、県内4広域に配置する15人の現地支援員が被害者からの相談内容を把握したうえで、医療機関の受診や弁護士相談などの対応に同行し被害者に代わって状況を説明する仕組みを構築した。

 内閣府が平成26年12月に実施した男女間の暴力における調査では、1811人の女性回答者の6・5%が強制的な性行為の経験を持ち、その67・5%が誰にも相談しなかった。県人権・男女共同参画課は「1人で悩んでいる被害者たちが少しでも相談しやすく、心の負担が軽減できる態勢にもっていきたい」と話す。

 支援対象は年齢や性別で区切らず、性被害を受けた全県民とする。センターは、支援内容を調整するチーフコーディネーターと被害者から相談を受ける電話相談員、現地支援員の延べ18人態勢で業務にあたる。全員が保健師や看護師、社会福祉士などの資格を有する40~70代前半の女性だ。

 被害者は相談後、4広域に1カ所ずつある県の提携病院で緊急避妊や人工中絶や性感染症検査などの医療を公費で受けることができる。過去に受けた性被害についても、県臨床心理士会によるカウンセリングや、県弁護士会を通じた賠償のための法律相談、就労・生活相談などが用意される。

 公募で選ばれた「りんどうハートながの」の名称は、県花・リンドウの花言葉「悲しんでいるあなたを愛する」に由来する。阿部守一知事は25日の記者会見で「すでにワンストップ支援センターを設置している他県の事例を参考に、スタート段階から十分な対応ができる態勢とした。性暴力被害は深刻な問題であり、行政としてしっかりと守っていきたい」と強調した。

 県は、年間300人程度の対応を想定し、今後も現地支援員の増員などを図っていく方針。被害者保護の観点から、センターの設置場所や提携病院名などは公表していない。