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【東秩父物語(2)】無形文化遺産「細川紙」 人の心を「手漉き」に込めて

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【東秩父物語(2)】
無形文化遺産「細川紙」 人の心を「手漉き」に込めて

工房最年少の奥村紗希さん(右)と鷹野禎三さん 工房最年少の奥村紗希さん(右)と鷹野禎三さん

 村の人間にも余裕はなかった。「今になって、彼らはつらかったろうな、もう少し何かしてやれなかったかなとは思う」。そう遠くを見つめてから、「強いて言えば、それを紙に生かせればいいんだけどね」と続けた。

 紙に生かす?

 「単なる1枚の紙も作品なんです。その人の心も入ってなきゃいけないんだ。やさしさも、思いやりも」

 村で過ごした時間を漉いているかのような鷹野さんは、35年ほど前に、江戸小紋の人間国宝、小宮康孝さんから直接言われたという言葉を教えてくれた。今も反芻(はんすう)しているという。

 「鷹野さん、生きてる紙を作ってください。仕事をしたくなる紙を」

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