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近江神宮で和時計公開 漏刻祭所有の愛好家「国内初」 滋賀

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近江神宮で和時計公開 漏刻祭所有の愛好家「国内初」 滋賀

 「時の記念日」の10日、時計の発展を神前に報告する恒例の「漏刻祭」が行われた近江神宮(大津市神宮町)で、江戸時代初期(17世紀中旬)に発明されたとされる和時計「藤車式二挺天符(にちょうてんぷ)櫓時計」が公開された。朝夕に速さの調整をする必要がなくなり、国内の時計に大きな進歩をもたらした時計とされる。所有している近江八幡の愛好家によると、同時計の公開は国内初という。

 同時計は長崎で発明されたとされる。これまで国内では資料や伝聞でしか存在が確認されていなかったが、平成22年に和時計学会(本部・近江神宮)会員の岡田和夫さん(57)=近江八幡市=が東京都内のコレクターが所有していることを確認。買い取った上で、今回の公開にこぎつけた。

 鐘の下に、振り子のように往復運動をして時計の動く速さを制御する「棒天符」と呼ばれる調整機が上下2本付いているのが特徴で、日中は上の棒天符が動き、「暮れ六つ」(午後6時頃)と同時に下の棒天符に自動的に切り替わる。

 同時計が発明されるまでは、1本の棒天符で時計の動く速さを制御していたため、毎日明け六つ(午前6時頃)と暮れ六つの2回、時計の速さを調整する必要があったという。

 この時計の発明で、速さの調整は季節の昼夜の長さの変わり目の二十四節(約15日)ごとでよくなり、利便性が大幅に向上したという。

 岡田さんは「生活を便利にしようという先人の努力が生み出した時計。いずれは博物館などに寄贈して大勢の人に見てもらいたい」と話している。