2016リオに翔ける

射撃・森栄太選手(33) やらまいか精神でメダル狙う

 1月下旬-2月上旬にインドのニューデリーで開かれたラピッドファイアピストルのリオデジャネイロ五輪アジア予選。高得点を連発して銅メダルを獲得し、五輪という大舞台への切符をつかんだ。「10年間やってきて、やっと報われた」と相好を崩す。

 浜松工業高校(浜松市)卒業後に、姉の勧めで入隊した航空自衛隊浜松基地で射撃と出合った。パイロットを目指したが、乱視のため断念し、航空機のエンジン整備の仕事をしていた時のことだ。

 自衛官である以上、必修科目として射撃は訓練が義務づけられている。小銃検定を受けると、軽々とその基準をクリア。すぐにその腕を見込んだ上司から「本格的にやってみないか」と声をかけられた。自衛隊体育学校へ行って射撃をやれというのだ。「五輪を目指せる」。浜松でいうところのチャレンジ魂「やらまいか精神」に火が付いた。

 半年間の訓練や選抜試験をくぐり抜け、平成18年に同校に入校。毎日100~150発を的に撃ち込む練習に明け暮れた。だが、さまざまな大会に出てもなかなか結果が付いてこない。

 小学校から高校まではサッカー部だった。団体競技から個人競技への転向。一人で淡々と競技を続けていて「孤独感」を感じ、気持ちが折れそうになったことも何度かあった。

 だが、転機は訪れた。2年前に近代五種の元選手として同校に在籍していた同僚の桂子さんと結婚。「同じアスリートとしていろんなことでアドバイスがもらえるようになった」

 これを機に成績は急上昇。26年に全日本大会で2位に入ると、27年には優勝。初出場となるアジア大会への出場権を獲得し、リオ五輪への道をこじ開けた。

 どんな競技でもそうだが、射撃でも集中力がものをいう。自分ではどうしてそれが身に付いたのか、振り返ってもよく分からない。ただ「構える」「狙う」「撃つ」というコンマ数秒の世界に、「自分の動作が止まっているようで、それが気持ちいい」と強い魅力を感じている。

 自衛隊のエリート集団の中でもまれ、10年間もがき続けた末に獲得した五輪への切符。射撃の世界に快く送り出してくれた空自浜松基地の同僚に「ようやく恩返しができる」と安堵(あんど)の表情を浮かべる。目前に迫った大会本番に向け、「出るからには『輝くもの』をつかむ」と力強く語った。(島田清)

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 リオ五輪の開幕まで残り70日を切った。4年に1度の大舞台に挑む本県関係選手たちの今を追った(この企画は随時掲載します)。

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【プロフィル】森栄太

 もり・えいた 平成18年から自衛隊体育学校所属。26年、射撃の全日本選手権2位、27年には優勝。今年行われた射撃男子ラピッドファイアピストルの五輪アジア予選で3位となり、日本代表を射止めた。浜松工高。172センチ、79キロ。33歳。浜松市出身。

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