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東海道五十三次新たに4点収蔵 宿場町の様子いきいき 大津市歴史博物館

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東海道五十三次新たに4点収蔵 宿場町の様子いきいき 大津市歴史博物館

 江戸時代の浮世絵師、歌川広重の代表作「東海道五十三次」の版画4点が、大津市歴史博物館(同市御陵町)の収蔵品に新たに加わり、現在展示されている。県内の宿場町の様子を描いた4点で、広重の作品の中でも珍しいという。同博物館は「保存状態がよく旅人の様子もよくわかる」としている。新収蔵品展は6月5日まで。

 広重は、東海道五十三次を天保4(1833)年に初刷り。広重の東海道五十三次は複数作あり、版元の違いによって場面や色彩が異なる。今回展示されているのはポピュラーな「保永堂(ほうえいどう)版」ではなく、天保後期に作られた「江辰(えたつ)版」と「山庄(やましょう)版」。同館は、両版の東海道五十三次を所有していなかった。

 同館によると、広重は版元が違う約40種類の東海道を描いているとされ、その中でも両版は発行数が少ない作品という。同館の学芸員が昨年6月、東京の古美術店で大津宿と草津宿、石部宿を描いた江辰版と、水口宿を描いた山庄版の計4点(それぞれ縦25センチ、横35センチ)を発見。昨年10月と今年3月に購入した。

 江辰版の大津宿は、現在の同市打出浜の琵琶湖岸にあった茶店の様子が描かれている。茶店にはふなずしや酒があることを示す看板があり、日中から酒を飲んでくつろいでいる旅人も描かれている。また山庄版では水口宿にあった安価で泊まれる宿を描いている。「木賃宿」と呼ばれる宿で、広重の東海道五十三次の場面としては珍しいという。

 同館の横谷賢一郎学芸員は「どの作品も色彩がしっかり残っていて状態がいい。当時の町や旅人の様子を、作品から感じ取ってほしい」と話している。