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途上国の健診費用半減へ 九大などバングラで検証

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途上国の健診費用半減へ 九大などバングラで検証

 九州大や国立情報学研究所、京都大などの研究チームが、発展途上国の健康診断に掛かる費用を半分に削減できる方法を考案した。データ分析で個人の発病リスクに合わせて低価格の検査項目だけに絞る仕組みで、バングラデシュで検証を行った。将来的には日本での応用も目指す。

 予算も医師数も少ない途上国で、多くの人を救おうと、考え出した。九州大病院の中島直樹教授(医療情報学)は「途上国だけでなく、無医村が増える日本でも将来的に生かせるのではないか」と語り、災害時の医療支援への応用も検討している。

 バングラデシュでの調査では、看護師を雇用し、血圧や血糖値などの測定機器が入ったかばんを持たせ、2012年7月~14年3月に首都ダッカや農村部などで男女計約1万6千人の健康診断をした。集めたデータを人工知能(AI)の機械学習技術で分析し、体温や血圧などの数値でどのような条件がそろえば生活習慣病になりやすいのか、傾向を調べた。

 その結果、費用が高い血糖値の検査の結果を他の低価格の診断から予測できることなどが分かり、検査省略で全体の費用を半額に抑えられることが判明した。

 一部の検査をしないことで、100人に1人ほどの病気になりやすい人を見逃してしまうが、毎年の健診を受ければリスクを減らせるという。今年3月からインドで、この健康診断とインターネットを介して医師と患者を結ぶ遠隔治療を組み合わせた事業の試験的な運用も開始した。