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熊本地震 債務減免で被災者支援 金融機関、二重ローン防止へ

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熊本地震 債務減免で被災者支援 金融機関、二重ローン防止へ

 国内金融機関は、熊本県を中心とする地震で、住宅や自動車などのローンの返済が困難になる被災者に対し、4月から適用が始まった債務整理のガイドラインに基づき、債務免除や減額の手続きに入る。返済中のローンに加え、新たな借り入れが負担となる「二重ローン問題」を防ぐ狙いで、手続きを支援する弁護士らと連携する。

 対象は、震災で住宅や自動車、事業性ローンの返済ができなくなる個人と個人事業主。被災者の保有資産を借金返済に充て、残りの借り入れを減免する仕組み。生活再建に必要な手元資金は守られる。債務を整理しても信用情報に問題がある「ブラックリスト」として記録されず、新規ローンやクレジットカードが契約できるようにする。

 手続き希望者は、取引金融機関に債務整理を申し出る。その後、弁護士などが務める「登録支援専門家」の支援を無料で受けながら、金融機関と話し合い、減免の条件を詰める。簡易裁判所の特定調停で債務整理を確定させる。債務整理を巡っては、法的整理に基づかない債権放棄は「基準が不明確で株主への説明責任を果たせない」として、金融機関が慎重になるケースがあった。しかし、二重ローン問題が残ったままでは被災者の生活再建が進まないため、金融機関や弁護士などが協議して、債務整理のガイドラインを策定した。

 東日本大震災では、被災者の生活再建を促す措置として平成23年8月から運用を開始。運営事務局によると今月15日までに1347件の債務整理が成立した。

 今年4月からは東日本大震災以外の自然災害にも適用されるルールが定まり、今回の熊本地震はその第1号案件となる。