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津波の危険性、視覚で訴え 鎌倉市、動画制作「正しい知識を」 神奈川

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津波の危険性、視覚で訴え 鎌倉市、動画制作「正しい知識を」 神奈川

 鎌倉市は実際の街並みに津波の映像を合成したシミュレーション動画を制作し、今月から市のホームページなどで公開を始めた。東日本大震災の教訓を風化させず、市民や観光客に津波に対する危機意識を持ち続けてもらうのが狙い。インターネット上ではリアルな映像に賛否両論の声が上がっているが、市の担当者は「リアルな映像で視覚に訴えることで、観光客を含めた津波対策の重要性を啓発していきたい」と話している。(古川有希)

 「鎌倉で津波から生きのびる」と題した動画は約14分。県が昨年公表した津波浸水予測を参考にし、相模トラフを震源とする地震が発生してから8分で高さ最大14・5メートルの津波が同市に押し寄せると想定した場合にどのような被害が起きるのかをコンピューターグラフィックで再現した。津波発生のメカニズムや想定される地震と津波の到達時間なども併せて解説している。

 市内の住宅街や有名観光地は海岸に近く、同市はハザードマップの作成などこれまでも津波対策をやってきたが、「津波の危険性を(具体的に)認識してもらうものがなかった」(市総合防災課)として動画制作を企画。鎌倉駅前や由比ガ浜など有名スポットが津波に襲われる様子を映像化することで、「観光地としてのイメージダウンになる可能性もあったが、啓発の方が大事だと判断した」(同課)という。

 ネット上では、「鎌倉に住んでる人、よく行く人は必見」「休日のあの大混雑時に起きたらと思うとぞっとする」「鎌倉怖い」といったさまざまな感想がツイッターなどでコメントされている。市に寄せられた反応は多くが肯定的だが、東日本大震災の被災者から「こういったものを見せられるとつらい」という電話もあったという。

 市は今後、土地勘のない観光客にもすぐに高台に逃げられるよう、地面に矢印で避難方向を示す避難誘導標識を増やすなどの対策を進めていく。担当者は「観光客向けの津波対策は難しいが、まずはこの動画を見ることで津波に関する正しい知識を持ってほしい」と話している。