産経ニュース

赤ひげ大賞の宇都宮・ひばりクリニックの高橋院長「患者主役の在宅医療」

地方 地方

記事詳細

更新


赤ひげ大賞の宇都宮・ひばりクリニックの高橋院長「患者主役の在宅医療」

 地域で献身的な医療に携わる医師を顕彰する第4回「日本医師会 赤ひげ大賞」(日本医師会、産経新聞社共催、ジャパンワクチン特別協賛)に、県内からひばりクリニック(宇都宮市新里町丙)の高橋昭彦院長(55)が選ばれた。小児からお年寄りまでのプライマリーケア(初期医療)や在宅診療を重視し、重症障害児の日中預かりサービス「うりずん」にも力を入れている。長年の医療活動について聞いた。(高橋健治)

                   ◇

 --受賞おめでとうございます

 「ありがとうございます。でも、なぜ私が選ばれたのか。私はただ患者さんが話したいことを全部聞いてニコニコしているだけ。たわいない会話しかしていませんし、大した治療もしていないですよ」

 --なぜ医者になったのですか

 「母が看護師だったことと、太陽熱エネルギーの研究者になるため国立大理学部と自治医科大を受験し、自治医大に受かったから。どうしても医者に、というわけではありませんでした」

 --診療の半分を往診に費やしているのは

 「自治医大の卒業生は出身県に帰って地域医療に従事します。私は10年間、小児科医と僻地(へきち)の診療所で医者をやりました。その診療所で往診に出合い、在宅医療に目覚めました」

 --在宅医療とは

 「その方が主役になるためのお手伝いを医療としてする、ということですかね。病院だと、病院の管理の下、“一患者”として扱われる。家だと、起きたいときに起き、食べたいときに食べ、それなりの役割や居場所があるんですよ。それを最大限お手伝いする。たとえ寝たきりであっても、亡くなる間際であっても、その人らしくというのを支えたいと思います」

 --滋賀県出身ですが、宇都宮市で開業したのは

 「僻地勤務の後、宇都宮の沼尾病院で6年間、在宅医療をしながらボランティア活動に参加しました。そして介護老人保健施設長として滋賀県に戻ったばかりの平成13年、ホスピスの研修でニューヨークにいたとき、9・11テロに遭遇し、『無事に日本に帰れたら、思い通りのことをしよう』と思ったわけです。帰国して2週間で、宇都宮市でグループホームの建物だったここでの開業を決めました。(小さい頃に)予防接種していた子が高校生になったり、みとった人の家族が受診したりしています。患者さんはみなさん、口コミでいらっしゃいます」

 --医院に併設されている「うりずん」は、どんな施設ですか

 「重い障害のある子供を預かり、親が一休みし、働きに出られるようにするレスパイトケア施設です。今、うりずんと医院の移転先を建設中で、4月にうりずんは3倍ぐらいの規模になります。0~6歳の児童発達支援、小学校1年~高校3年の放課後デイサービス、18歳以上の方やそれ以外の子供の日中支援をする予定です」

                  ◇

【プロフィル】高橋昭彦

 たかはし・あきひこ ひばりクリニック院長、認定特定非営利活動法人うりずん理事長。昭和36年、滋賀県長浜市生まれ。55歳。自治医科大卒。滋賀県で病院と僻地診療所勤務後、宇都宮市の沼尾病院在宅医療部長。平成13年、滋賀県に戻って間もなく、ホスピス研修のため米ニューヨーク滞在中に米中枢同時テロに遭遇。翌年5月、宇都宮市にひばりクリニックを開院。20年、重症障害児の日中預かり施設「うりずん」を併設した。