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下町ボブスレー×ジャマイカ代表、合意への道 「技術発信」「支援」で思惑一致 東京

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下町ボブスレー×ジャマイカ代表、合意への道 「技術発信」「支援」で思惑一致 東京

 ■「もの作りが世界に認められた」大田区長も歓迎

 大田区の中小企業が中心となって開発した「下町ボブスレー」について、ジャマイカボブスレー連盟と2018年平昌五輪に向けて相互に協力することで合意したことを受け、下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会は18日、大田区の産業プラザで記者会見を開いた。推進委はジャマイカと合意に至った経緯などを説明。細貝淳一ゼネラルマネジャーは「結果を聞いたときは、飛び跳ねるくらいうれしかった」と改めて喜びを語った。(石野哲郎)

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 推進委によると、日本代表チームが外国製そりを購入したことを知った平成27年4月、ジャマイカに詳しい音楽家、石井志津男さん(70)を介して、ジャマイカ大使館を訪問し、下町ボブスレーの採用の可能性について相談していたという。

 同年11月の日本代表からの不採用通知を受けて、海外チームへの働きかけを本格的に開始。同12月16日、ジャマイカ側にそりの無償提供などを正式にオファー、今月13日にジャマイカの技術担当コーチや選手らが来日し、15日から長野市で滑走テストを行っていた。テストは17日まで予定していたが、16日にジャマイカ代表の採用が決まったという。

 ジャマイカ選手は、「振動が少なくすばらしい」「下町ボブスレーへの期待度は高い」とそりを絶賛。また、選手の改修要望などに即応できる下町ボブスレーのサポート態勢も高い評価を受けた。女子パイロットのジャズミン・フェンレイターさんは「金メダルを目指すためにすべてのことをする」と意気込みを語った。

 陸上競技が盛んなジャマイカでは、冬季スポーツであるボブスレーへの財政的な支援はあまり期待できないという。

 乗るそりがなく、あってもメカニックがおらず、そりのチューニングなど継続的な支援が望めなかったジャマイカ側と、もの作りの技術を世界に発信したいが、乗り手がいない下町ボブスレー側の思惑が一致し、短期間での合意につながった。

 会見には、大田区の松原忠義区長やリカルド・アリコック駐日ジャマイカ大使も同席。松原区長は「『やったー』という感じ。大田区のもの作りを世界に認めていただいて、こんなにうれしいことはない。区としてもできる限り応援していきたい」と支援を約束した。

 今後、米国にそりを運び、各大会に出場し、平昌五輪出場に必要なポイント獲得を目指していく。同時に、大柄な体形のジャマイカ選手に合わせたそり改良を進め、その上で10月ごろに新型機3機を製作する予定だ。

 下町ボブスレーの関係者によると、他の海外チームにも働きかけているという。会見後、細貝ゼネラルマネジャーは採用が決まった瞬間を振り返り、「言葉が出なかった。鳥肌が立つくらい、視界が変わった」と話し、念願の五輪出場へ向けて、一歩前進した喜びをかみしめていた。