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【大人の遠足】武州正藍染 剣道着から新ブランドへ 埼玉・羽生の小島染色工業

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【大人の遠足】
武州正藍染 剣道着から新ブランドへ 埼玉・羽生の小島染色工業

昭和40年代のシャトル式織機が並ぶ小島染織工業=埼玉県羽生市

 「当社の雰囲気は、昭和レトロですよ」

 小島秀之社長(45)が言う通り、訪ねた埼玉県羽生市の小島染織工業の社屋は「時代」を感じさせるものだった。創業は明治5年。戦前の建物も残り、大きな音で稼働する織機はどれも昭和40年代の機械だ。「今は生産されていないシャトル式織機で、動作がゆっくりしている分、手織に近い味を出せる。交換部品もなかなか手に入らないが、メンテナンスにこだわりながら使っている」という。

 数年前まで、ここで生産されていたのは主に剣道着だった。今は小物やファッション分野にも進出し、海外ブランドとの提携も進めるなど、会社は大きく姿を変えている。

古い歴史、低い知名度

 手がける武州正藍染(ぶしゅうしょうあいぞめ)は江戸時代中期の天明年間からの伝統があり、綿花や藍の産地だった県北で生産されていた。藍染の防虫効果から農家の野良着に使われ、明治時代に紺屋(染物屋)は200軒ほどあったが、現在は同社を含め4社にまで減ったという。

 小島さんが5代目社長に就いたのは平成17年。「藍染は今でこそ伝統工芸とされているが、本来は身近なものだったはず」との思いがあった。

 「小物を作ってJR大宮駅のエキナカで販売したら、お客さんから『おたく京都?』と聞かれて(笑)。伝統や格式のイメージから勘違いされていたんですが、地元・埼玉の羽生で作っているとは思われていなかった」

 一方、25年9月に初めて参加した日本貿易振興機構(ジェトロ)の海外向け展示会で、同社の藍染は海外の業者から高い評価を受けた。しかし、地元での知名度は低い。このギャップを解消するために、攻め手を考えた。

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