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中国人窃盗団「ピンクパンダ」日本に上陸 ダイヤモンドを一瞬ですり替え 東京

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中国人窃盗団「ピンクパンダ」日本に上陸 ダイヤモンドを一瞬ですり替え 東京

 中国人で構成される国際窃盗団「ピンクパンダ」が、日本で暗躍している。都内ではメンバーとみられる男らが関与した窃盗事件が、今年に入り複数発生。過去、ヨーロッパを拠点にした窃盗団「ピンクパンサー」や、油圧ジャッキなどで壁を打ち破る手口が特徴の「香港爆窃団」が猛威を振るった経緯があり、警視庁は“新組織”の進出に警戒を強めている。

 ◆「爆買い」装う

 警視庁は8月、中央区銀座の貴金属店で1月にダイヤモンドの指輪(2168万円相当)を盗んだとして、窃盗容疑で「ピンクパンダ」のメンバーとみられる男2人を逮捕した。1カ月後の9月には、豊島区のサンシャインシティで開かれた宝石展示会で、ダイヤモンド(160万円相当)を盗もうとしたとして、メンバーとみられる男を窃盗未遂容疑で現行犯逮捕。一気にピンクパンダの名が知れ渡った。

 捜査関係者によると、従業員らに中国語で話しかけて気をそらしたすきに、本物と模造品と取り換える手口が特徴だ。もともと欧州を拠点に活動していたが、昨年ごろから日本に進出し始めたという。中国人観光客の「爆買い」が話題になるなか、富裕層を装って犯行のタイミングを狙っているとみられる。

 逮捕された3人のうち2人は容疑を否認。捜査関係者は「他のメンバーによる報復を恐れているのか、なかなか組織の全容がつかめない」と打ち明ける。

 ◆別組織の被害も

 日本では過去にも、別の国際窃盗団による被害があった。

 「ピンクパンダ」の名称は中国人で構成されている窃盗団だったことから、仏国家警察が名付けたという。同国では「ピンクパンサー」という窃盗団が暗躍していたことが、ネーミングの由来とされている。

 ピンクパンサーは、平成16年に銀座の宝石店で35億円相当の貴金属を奪って逃走。19年にも銀座の別の宝石店で催涙スプレーを噴射し、ショーケースからダイヤモンドのティアラとネックレスのセット(約2億8400万円)を奪った。

 メンバーは総勢数百人とみられ、主にモンテネグロなど旧ユーゴスラビア出身者で構成される。5分以内の犯行時間で激しい暴行を加えずに商品を奪う手口で、11年以降の被害額は世界35カ国で400億円以上という。

 欧州が拠点の「ピンクパンサー」とは対照的に、アジアを狙うのが「香港爆窃団」だ。日本ではバブル絶頂期の昭和60年代から平成10年ごろに被害が目立った。宝石店のコンクリート壁をバールで壊して侵入する手口で知られ、総勢200人以上を擁し関東、関西、東北などで約20件(被害総額10数億円)の犯行を重ねていたとみられる。

 ◆狙われやすい?

 捜査関係者によると、かつて逮捕された「香港爆窃団」のメンバーの1人が、「自動販売機という“金庫”が日本では畑の中に立っている」と、犯罪に対する無防備ぶりを供述したことがあった。現在でも「相手が武器を携帯しているケースも少なく、国際窃盗団のターゲットになりやすい」と指摘する声は多い。

 警察庁によると、26年の国内の外国人犯罪の摘発件数は1万5215件。犯罪別では、窃盗事件が約6700件と最も多かった。総数はピークだった17年(4万7865件)に比べて3分の1まで減少したが、平成初期の数年は6千件前後で推移していたことから、「外国人による犯罪は引き続き高い水準にある」と分析する。

 警視庁は「日本で犯罪がしやすいと思われては困る。今後さらに警戒を強めていきたい」としている。