産経ニュース

人口減対策へ「チーム中部」 静岡県と7市町が連携 移住者参加し藤枝で初会合

地方 地方

記事詳細

更新


人口減対策へ「チーム中部」 静岡県と7市町が連携 移住者参加し藤枝で初会合

 人口減少に頭を悩ませる県中部の7市町と県が連携して10日、首都圏からの移住者を増やすための「チーム中部」を結成し、藤枝市のふるさと暮らし体験施設「ひだまり」で初会合を開いた。首都圏から藤枝市に移住してきた女性2人も参加し、なぜ移住先を藤枝市に決めたのか、どのような移住支援がほしかったのかなどについて発言。各市町の担当者らが真剣にメモを取っていた。

                     ◇

 チーム中部を結成したのは静岡市▽島田市▽焼津市▽藤枝市▽牧之原市▽吉田町▽川根本町-の7市町。

 このうち、藤枝市では県内人口が370万人を切り、各市町で人口が減り続ける中、昨年まで5年連続で人口が増えている。平成23年度から実施している移住希望者に中山間地の空き家を紹介する「空き家バンク」が好調で、これまで15世帯33人が制度を利用するなど、移住者対策では県内では先進的な取り組みを行ってきた。

 この日の会場となった「ひだまり」は、藤枝市助宗の中山間地に古民家を改装して今年4月にオープンしたばかり。県外からの移住希望者を受け入れて実際に中山間地での生活や農業を体験してもらう施設だ。

 7年前に東京都から藤枝市に移った谷口ジョイさんは、「都会の子育てに疑問を感じていたので、あまり首都圏から離れず、気候が暖かく食べ物がおいしいところへの移住を考えた」という。8年前に神奈川県から来た古藤めぐみさんは、「ゆとりある生活をしたかった」と移住を決意し、夫は林業に転職した。「藤枝は家賃は安いし、交通量も少ないし、駐車場も広い。とても住みやすかった」と話す。

 ただ、東京・有楽町の県移住相談センターの宮嶋千恵美相談員によると、静岡県への移住希望者は少なくないが、受け入れ態勢が十分ではなく、PRも足りないという。古藤さんも「自治体の補助の情報だけでなく、医療や学童保育など、暮らし始めてからの細かい情報がもっとほしかった」と情報のミスマッチを指摘する。

 移住者のさまざまなニーズに対応するには、多くの情報を提供することが不可欠だ。静岡市の担当者は「生活圏は近隣の市町にもまたがるので、静岡市だけで対応するのは難しい」と語る。牧之原市の担当者も「知名度が低いので、他市と連携して移住者を取り込みたい」と、中部の7市町が連携しての取り組みに期待を示した。

 7市町は今後、合同移住相談会や、合同移住体験ツアーの実施、広域パンフレットの作成など、連携を強化することを決めた。ただ、移住には生活に絡むさまざまな情報が必要となるため、相談センター1カ所だけで対応することはできない。また、各市町の情報を均等に得られるわけではないといい、ワンストップ窓口を設ける難しさが今後の課題として挙げられた。