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2020年東京五輪 自転車競技誘致へ加速 群馬

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2020年東京五輪 自転車競技誘致へ加速 群馬

 前橋市は、2020年の東京五輪・パラリンピックで、自転車競技(トラックレース)の誘致に向けた動きを本格化させている。平成27年度に市スポーツ課に誘致係を新設、前線組織として競技会場とキャンプ地誘致などを手がける。新規に、国際大会の視察など誘致係と連携して必要な情報収集などを行う「スポーツコミッション事業」も立ち上げ、誘致に向けた盤石の態勢を築く。(大橋拓史)

 ■ノウハウに自信

 山本龍市長は1月、東京五輪の大会組織委員会(森喜朗会長)に対し、前橋市内で自転車競技が開催できるよう要望書を提出している。

 同市には前橋競輪が行われる「ヤマダグリーンドーム前橋」があり、平成2年には自転車競技の世界選手権が開催された実績もあることから、山本市長は「前橋には運営のノウハウがある」と自信をのぞかせる。

 同五輪で、自転車競技トラックレースは当初、都内に仮設の競技場を建設する計画だったが、舛添要一知事が昨年、コストがかかりすぎるとして五輪閉幕後に撤去する仮設競技場の建設計画見直しを表明した。

 一方、グリーンドームの場合、既存のコースの内側に仮設コースを作るだけで国際規格を満たせるため、「一から競技場を建設するよりもコストはかなり抑えられる」(市スポーツ課)という。

 ■新規事業にも期待

 このため、市は27年度から同課に「スポーツ誘致係」を新設。開催地の決定に影響力を持つ大会組織委へのロビー活動や、キャンプ地に関する海外競技団体からの問い合わせ窓口となる国内の競技団体へキャンプ候補地として前橋をPRするといった誘致活動を本格化させる。

 また、同市は「スポーツコミッション事業」も立ち上げる。

 スポーツコミッションは、自治体内のスポーツ施設に関する情報提供や宿泊、交通、イベント運営に関わる業者の紹介などを行い、スポーツイベントを招致することで地域活性化の役割を担う。

 五輪の誘致に関しては、誘致係と連携し、海外で行われる大規模な大会などに職員を派遣して現地の視察や情報収集を行うなど「誘致係の側面支援」(同課)を行う。

 スポーツコミッションはさいたま市が平成23年に初めて設立し、新潟市や関西経済同友会が主導した「スポーツコミッション関西」など、全国的にも設立の動きが増えている。さいたま市のスポーツコミッション事業は世界最高峰の自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」の名を冠した国際大会の招致に成功した実績がある。

 ■課題は100キロの壁

 ただ、課題もある。東京五輪では、東京都中央区晴海に建設予定の選手村から前橋市までの距離は約100キロある。国際競技団体や組織委が、その点をどう評価するかが不透明なところだ。

 また、先月末には組織委の森会長が静岡県伊豆市を開催地の有力候補に挙げた。伊豆市にはすでに国際規格を満たしたコースがあるといい、競技会場の誘致は厳しい状況にあるが、前橋市スポーツ課は「最終決定ではないので要望は続けていく」としている。

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 ◆「首長連合」前橋市も“参戦”

 前橋市の山本龍市長は13日、2020年の東京五輪・パラリンピックを活用した地域活性化を図るための首長有志の組織「地域活性化推進首長連合」に加入したと発表した。同連合は新潟県三条市の国定勇人市長らの提唱で1日に発足した組織。10日時点で前橋市を含む全国91市町村長が参加しており、さらに増える見通しだ。

 同連合は、歴史や文化、伝統工芸などの地域の魅力を参加地域が連携してPRすることで、外国人旅行者の誘客などにつなげるのが狙い。6月の全国市長会議に合わせて総会を開催し、具体的な取り組みなどを決める。

 県内で参加しているのは現段階で前橋市のみで、山本市長は「外国の人はいろんな日本の文化を満喫しにくる。大勢の首長と侃々諤々(かんかんがくがく)刺激を受けながら取り組んでいくほうが励みになると思う」と加入のメリットを話した。