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外国人宿泊者へ災害対応マニュアル 視覚を通して情報伝達 山梨

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外国人宿泊者へ災害対応マニュアル 視覚を通して情報伝達 山梨

 訪日外国人旅行者が宿泊先で万一、地震などの自然災害に遭遇した場合に、適切な情報提供が求められる。県は宿泊施設側の基本対応として「外国人旅行者への災害時対応マニュアル」を作成して、県内宿泊施設約2700軒に送付した。マニュアルには外国人旅行者の災害特性とともに、英語、中国語、タイ語、日本語で約40種の災害時対応文例とピクトグラム(図記号)が掲載され、組み合わせて使用することで“いざ”というときに文字(言語)表示だけでなく、視覚を通して情報を伝えることができる。

 マニュアルでは、地震が少ない国・地方からの旅行者は日本人ほど地震に対する知識がないことを前提に対応しなければならないとして、「地震を理解できない」「恐怖でパニックになる」「地震後の停電、断水を理解できない」といった旅行者特性を紹介。事前に宿泊施設の従業員らが理解しておく必要があると指摘している。

 災害時の初動対応では、地震の場合、揺れが収まったら何が起きたかをホテル従業員らが宿泊客に簡潔に伝え、建物が安全ならば慌てて屋外に出ないよう呼びかける。このあと、宿泊客の安否確認、傷病者対応となるが、建物が危険な場合には避難誘導となる。中には「危険なので国に帰りたい」と希望する外国人旅行者も出る。こうした状況での対応も示している。

 対応文例では、災害発生時、揺れが収まった後、初動活動、避難、交通機関、大使館・航空会社連絡などに分類して、「従業員の指示に従ってください」「水、食料を確保しています」など、状況に応じて文例を指して情報を伝えることが可能で、図記号を組み合わせて掲示することもできる。

 山梨県旅館生活衛生同業組合の笹本森雄理事長は「外国人旅行者には情報不足が不安をあおることになる。マニュアルができたことで(外国人客を)迎える側も安心できる」と話し、マニュアルの徹底で各宿泊施設の従業員が落ち着いて対応できるとしている。県では宿泊施設の従業員にマニュアルの内容を把握することや、文例と図記号を組み合わせ、事前にコピーして災害時に備えることを望んでいる。