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2つの障害…苦しみを絵本で表現 敦賀の主婦が自費出版

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2つの障害…苦しみを絵本で表現 敦賀の主婦が自費出版

 統合失調症と発達障害を抱える敦賀市吉河の主婦、皆川由香さん(40)が、日常の暮らしぶりを紹介する絵本「私だって困ってるんだもん!」を自費出版した。幻聴が聞こえたり、電話応対がまともにできなかったり…。両方の障害を持つ患者は珍しくないとされ、皆川さんは「同じ悩みで苦しむ人たちの救いになれば」としている。

 皆川さんは幼いころから他人の話を集中して聞けないなど、発達障害の特徴に悩まされていた。就職しても長続きせず、職場を転々とした。そうした状況がしばらく続き、6年ほど前に精神疾患の統合失調症を発症。被害妄想に苦しみ、生きる価値を見いだせず、自傷行為に走ることもあったという。夫や2人の子供に支えられ、何とか主婦業を送るが、一昨年夏、医師の診断で初めて発達障害と分かった。

 「生きづらさ」を感じる中、2つの障害が併発したケースを取り上げた本などがほとんどないことに気付く。絵を描くことが得意だった皆川さんは、自らの症状や苦しみを絵本にして発信しようと決めた。障害者ネットワークの協力も得ながら、昨年春から制作に取りかかった。

 苦労に絶えない日常生活の場面を愛らしいイラストと皆川さんの「声」で描いた。症状への対処法なども紹介し、「上手にできないことで私たちは苦しんでいます。『早く治せ』なんて言わないで」と2つの障害に対する理解を求めている。

 皆川さんは「過去の記憶が思い起こされ、辛かったが、読んでくれる人が少しでも楽になればうれしい」と話す。

 A5版22ページ。1冊540円(税込み)。購入方法などの問い合わせは、「アトリエかの」のホームページ(http://atelier-cano.net/)から。