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南相馬でマッスルスーツ生産開始へ

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南相馬でマッスルスーツ生産開始へ

 飯舘村に基幹工場を置く総合試作メーカーの「菊池製作所」(本社・東京)は27日、避難区域の南相馬市小高区に新設した製造工場で装着型の筋力補助器具「マッスルスーツ」の製品説明会を開いた。2月から同工場で量産ラインを稼働させる。ロボット産業への挑戦で優秀な人材を集め、復興への足がかりにしたいと期待がかかる。

 小高区は東京電力福島第1原発事故後に警戒区域となり、立ち入りが制限され、住民が避難。警戒区域が解除されて避難指示解除準備区域となり、日中の立ち入りが可能になってから企業が進出したのは初めて。

 菊池製作所は原発事故の影響で閉鎖した事業所跡地を昨年8月に購入。大学や研究機関と協力し、「産学官連携研究センター」として国内最先端の研究開発や製造の拠点にする方針だ。

 約4万4千平方メートルの敷地内に工場が3棟あり、第1工場で研究センター、第2工場でマッスルスーツの量産ライン、第3工場で従来の試作の加工などを行う。今秋をめどに全てを稼働させる。社員は約15人で、4月には高卒などの地元採用の新入社員5人が加わる。

 マッスルスーツは東京理科大学の小林宏教授が開発した装着型の動作補助装置。リュックサックのように背負うタイプで、重いものを持ち上げる作業の負担を軽くする。30キロの力で補助し、腰の負担が約3分の1になるという。ゴム製の人工筋肉を圧縮空気で伸縮させて動かすため、軽量で使い方も簡単なのが特徴だ。介護や物流、農作業などでの利用を勧めている。

 価格は約60万円で、すでに770台をサンプル出荷として介護事業者などに販売。南相馬工場が本格稼働すれば年間5千台ほどの生産が可能となるという。

 製品説明会には南相馬市の桜井勝延市長や菊池製作所の菊池功社長、南相馬市の事業関係者らが出席し、マッスルスーツを装着して使い心地を試していた。桜井市長は「夢のロボットスーツの生産は、南相馬市、小高区の期待。南相馬全体の復興のために尽力していきたい」と話した。