産経ニュース

「美浜事件」風化させない 敦賀署、市役所で資料9点を公開 福井

地方 地方

記事詳細

更新


「美浜事件」風化させない 敦賀署、市役所で資料9点を公開 福井

 北朝鮮人権侵害問題啓発週間(毎年10~16日)に合わせ、平成2年に美浜町の松原海岸に北朝鮮の工作船が漂着した「美浜事件」を広く知ってもらおうと、敦賀署は10日、敦賀市役所で県警が押収した関係資料9点の公開を始めた。北朝鮮による拉致の可能性が排除できない特定失踪者の情報提供も呼びかけている。

 美浜事件は2年10月28日早朝、同町久々子の海岸に工作船が打ち上げられ、その後、男2人の水死体が見つかったもの。県警は2人を工作員と断定し、日本海沿岸から工作員の潜入や脱出を図る北朝鮮の行為が明らかになった。

 展示品は、故金日成主席と故金正日総書記の肖像画が入った手帳、水を加えて使用する非常食のでんぷん粉、タバコ、暗号解読の乱数表-など。同署によると、手帳は漂着した服の心臓の上に当たる左胸ポケットに収められ、忠誠を意味するという。

 北朝鮮は事件の存在を現在に至るまで否定している。同署によると、北朝鮮からの距離は約800キロ。母船から小舟に乗り換え、海保などに発見されないよう海岸を目指した。嶺南地域に集中する原発の明かりが上陸地点の確認に役立ったとされる。

 海岸からJR小浜線美浜駅までは1キロほどで、工作員が京阪神や名古屋方面への潜入を企てた場合、漂着現場は上陸の最適地と考えられている。「国内にいた仲間の工作員も、上陸の手助けに暗躍していた」(同署担当者)。

 また、県警は展示品の観覧者に県内の特定失踪者ら7人の情報提供を求めるチラシを配った。担当者は「展示は身近にある脅威を知ってもらう機会。拉致問題にも関心を寄せてもらえたら」と話していた。

 美浜事件は県警のホームページでも知ることができる。