産経ニュース

横浜市で外国籍児童生徒が増加、学校や支援教室の教師足りず

地方 地方

記事詳細

更新


横浜市で外国籍児童生徒が増加、学校や支援教室の教師足りず

 日本語が話せない外国籍などの児童生徒数が、横浜市内で増加の一途をたどる中、日本語や一般教科を教える人材の不足が深刻な問題になっている。子供たちを支える学校と、学習支援教室の2つの現場を訪れ、課題を探った。

 市立横浜吉田中(中区)では、日本語や一般教科を外国籍の生徒に教える国際教室を2クラス設けている。中学3年生のクラスでは、2~4人の少人数グループが4つに分かれ、各グループに教諭や学習支援ボランティアが1人ずつついて指導していた。

 中国語で数学の問題を教えてもらっていた女子生徒の横では、男子生徒が「おおきい」「ちいさい」などの単語を声に出しながらひらがなを書いていた。男子生徒は9月に中国から来日したばかりだという。

 ◆空き時間に指導

 市教委指導企画課によると、今年5月1日時点での市内の外国籍などの児童生徒数は7488人で、3年前と比べて2割増えている。

 同中学は、学区内に関内駅周辺やみなとみらい21地区などがあり、外国籍生徒の割合は全校生徒378人の約4割に達する。出身国は中国、フィリピン、韓国が多く、出川進校長(58)は「永住目的で来日する外国人が増えている」と説明する。

 だが、県費で派遣される国際教室担当教諭の人数は、日本語初期指導が必要な外国籍の児童生徒が5人以上で1人、20人以上は何人いても2人と定められ、平成4年度から20年以上基準が変わっていない。

 同中学では2人の担当教諭で指導しきれない分を、市教委から外国語補助指導員や非常勤講師の派遣を受けて補っている。だが、同中学には今年4月以降、20人以上の外国籍の生徒が転入してきたといい、同中学では、「(担当教諭以外の)教諭が総出で空き時間に外国籍の生徒に教科指導している」(出川校長)状況だという。

 ◆ボランティアも

 一方、中学校の授業についていけない外国籍の生徒らの“受け皿”となっているのが、市内に11カ所ある「学習支援教室」だ。

 関内駅前の商業施設「セルテ」内にある「なか国際交流ラウンジ」で行われる学習支援教室では、外国籍の中学生45人が週1回、日本語のほか国語や数学などをボランティアに教えてもらっている。

 指導は原則1対1。数学のテストの内容を理解できなかった生徒が数カ月通った後には、4割まで得点できるようになった例もあるという。

 かつてここに通い、今はボランティアとして携わる中国人の女子大生(19)は「中学校では日本語を使う機会がなく、ここで日本語を勉強できたことが大きかった。私が経験したことを後輩にも伝えたい」と目を輝かせる。

 市国際交流協会の八木沢直治事務局担当次長(61)は「生徒がどこでつまずいているか、学校ではできないきめ細かいケアがここではできる」と意義を強調する。

 ただ、学習支援教室も希望者が多く、“待機生徒”は増える一方だ。八木沢さんは「教室の数もボランティアもまだまだ足りない。将来は母国と日本の懸け橋となる可能性を秘めた子供たちをうまく支えたいが…」と、子供たちへのサポートに理解を求めている。(古川有希)