産経ニュース

山梨・小菅村でサテライトオフィス 新たな客層開拓、地域活性図る

地方 地方

記事詳細

更新


山梨・小菅村でサテライトオフィス 新たな客層開拓、地域活性図る

 東京都に隣接する小菅村で、地域活性を目指すNPO法人「多摩源流こすげ」が短期滞在型サテライトオフィスサービスを今夏から始めた。同村は人口約700人のうち65歳以上の人が40%強と高齢化が進む。同法人はIT企業のプログラミング合宿や、スタートアップ企業のコンセプト作りなどで空き家活用を促し、村を訪れる新たな客層開拓によって将来地域活性が図れるとしている。

                   ◇

 同村は都心から車で2時間の距離。東京都奥多摩町に近く、村を訪れる人は関東近郊の観光客やゼミのための大学生がほとんど。同法人サテライトオフィススタッフの森弘行さんは「都市住民が農山村に移るには仕事がなければならない。半面、都会から移住して静かな環境で仕事をしたいと考える人は多い」と話す。首都圏に近くて、自然が豊かで静かな環境は都心のITベンチャー企業などにサテライトオフィスとして需要が見込めるとした。サービスを始めるため、オフィススペースモデルとして村の温泉施設「小菅の湯」併設の宿泊施設の利用を村に提案。6月中旬にまずプログラミング合宿でIT企業社員を迎え入れた。

 宿泊施設2階の1室で早朝から深夜までパソコンに向かい合う社員だが、利用客には隣接の温泉施設を無料開放。近くのアスレチック施設には割引サービスがあり、仕事に集中しながら適度に休憩することができる。宿泊施設には高速無線LANを整え、最大12人の接続が可能。食事は近くの民宿に委託する。利用者は「本社までの移動時間がかかる東京都内と比べ、時間が有効に使え、働きやすい」との感想を森さんに伝えている。

 森さんは「小菅村で仕事ができる。しやすい環境が村にあると認知されると、空き家を利用したサテライトオフィス群ができる。企業のサテライトオフィスエリアとして発展すると過疎の村で人口増や、雇用創出にも期待できる」と村の将来像を描く。

 小菅の湯の宿泊施設では1室に10畳の和室と8畳の洋間がセットされ、2室が用意されている。室内にはホワイトボード、文具などが用意され、1室4、5人で利用可能。利用料金は1人1泊5千円(税別)。詳しくはNPO法人多摩源流こすげ(電)0428・87・7055。

                    ◇

【用語解説】サテライトオフィス

 企業が首都圏の本社などから離れた場所に設けたオフィス。本社と同じ業務ができる情報通信設備を設け、勤務者の自宅に近い場所にサテライトオフィスを設けることで通勤時間が短縮され、時間の有効活用ができる。