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雇用創出、交流拠点に 大槌に新施設、ボランティア設立 岩手

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雇用創出、交流拠点に 大槌に新施設、ボランティア設立 岩手

 被災地でボランティア活動を続けるNPO法人「遠野まごころネット」は22日、大槌町で活動拠点となる「大槌たすけあいセンター」を完成させた。三陸の海産物などの加工所も兼ねており、地元の雇用創出にも貢献。地域に交流拠点ができると、住民らの期待も高まっている。

 センターは住民らの憩いの場として利用されるほか、まごころネットの職員が常駐し、就労相談なども行う。スタッフの雇用などの準備を経て、来月中の活動開始を予定している。

 まごころネットは、流通大手のイオンと共同で、三陸のワカメやサケなどの海産物などを使ったギョーザやシューマイなどを開発。月数千個を生産し、イオングループの店舗で開かれるイベント限定で販売している。

 新センターには加工所が設置されており、今秋までに約3万個程度を生産。隣接する工房には、レーザー加工機や3D(3次元)プリンターなども導入され、革製品やアクセサリーなどの製作もできる。

 こうした食品加工や工芸品作りを担うのは、地域住民。まごころネットは、約50人をパートで雇うという。小中学生のために学習室も用意されており、県内の大学と連携して英語教室なども開く計画で、老若男女問わずに人々が集まる地域の拠点を目指す。

 完成式に参加した近くの仮設住宅に住む男性(73)は「震災から3年がたって、人口流出などで顔をみて分かるという人も少なくなった。みんなが集まれる場所ができるのはいいことだ」と笑顔をみせた。

 建設費用は8500万円で、JTの海外子会社、JTインターナショナル(スイス・ジュネーブ)が設立したJTI財団が8400万円を負担。残りの約100万円は寄付金でまかなった。まごころネットの多田一彦理事長(55)は「空気みたいに当たり前で、日常に溶け込むように利用してもらえたら」と話した。