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【平昌五輪】「ウインカーがない車」 小野塚彩那の成長支えた「負けん気」

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【平昌五輪】
「ウインカーがない車」 小野塚彩那の成長支えた「負けん気」

女子ハーフパイプで5位に終わった小野塚彩那。演技後、涙を見せた=20日、平昌(共同) 女子ハーフパイプで5位に終わった小野塚彩那。演技後、涙を見せた=20日、平昌(共同)

 平昌の青空の下、勢いよくパイプの中に飛び込んだ。逆転をかけた3回目の滑りを終えると控えめな笑顔を見せたが、競技後は「今回はメダルだけを目指して勝ちにいっていたので、楽しい五輪ではなかった」と悔しさをにじませた。

 負けん気の強さは昔からだ。同級生が先に自転車に乗れたと知れば闘志を燃やす。転んでは起き上がって…を繰り返し、自転車のカゴは原形をとどめないほどぐしゃぐしゃになった。

 新潟県南魚沼市出身。ゲレンデは身近な遊び場だ。3歳の頃には1人で完全に滑れた。アルペンスキーの大会に出始めると上位の常連となったが、賞状入れに納めるのは1位の賞状だけ。2位以下は折り曲げて持ち帰った。

 大学時代は全日本学生選手権優勝などの実績を残したが、2011(平成23)年にHPが五輪の正式種目に決まると転向を決めた。家族は驚き心配もしたが、意志が揺らぐことはなかった。「あの子を車に例えるなら、“ウインカー(方向指示器)がない車”。考えることはせず、まっすぐにしか進まない」と母、ゆかりさん(49)。

 当時、練習を重ねて大会出場を果たしていくには海外遠征が必要不可欠。資金稼ぎのために数々のバイトを始めた。泥だらけで農作業をしたり、土木作業に従事したり…。やがて、自分の夢に周囲も巻き込んだ。

 叔父の小野塚隆さん(45)は「5位も立派な結果。胸を張って帰ってきてほしい」とねぎらった。(三宅陽子、松崎翼)

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