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【平昌五輪】10代ボーダー躍進のワケ…神戸発祥のエアマットで猛練習

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【平昌五輪】
10代ボーダー躍進のワケ…神戸発祥のエアマットで猛練習

 女子ビッグエア予選 エアを決める鬼塚雅=平昌(共同)  女子ビッグエア予選 エアを決める鬼塚雅=平昌(共同)

 平昌五輪のスノーボード・スロープスタイル、ビッグエアでは、19歳の鬼塚雅や、16歳の岩渕麗楽、国武(くにたけ)大晃(ひろあき)ら10代のスノーボーダーが次々と高難度の技を披露。大技を習得できた秘(ひ)訣(けつ)は、神戸発祥の「エアマット」を使った猛練習にある。関西が生んだ独自技術がティーンエージャーたちの才能を大きく開花させた。(岡野祐己)

 人工芝の張られたジャンプ台の先に大きなエアマットが広がり、ボードをはいた選手たちが次々とジャンプ。空中で体勢を崩して落下しても、痛みを感じずに着地できるのが特徴だ。

 スノーボード女子スロープスタイル、ビッグエアの岩渕は小学6年生のころから宮城県村田町のエアマット施設「東北クエスト」に通い、空中技の練習を始めた。「安心感があり、怖さもなく突っ込めた。エアマットで空中感覚や踏み切りを覚え、雪山でチャレンジできる」。背中側から踏みきって縦2回転横3回転する大技「バックサイドダブルコーク1080」もエアマットがなければ習得できなかったという。

 鬼塚、国武の両選手も同種の施設「富山KINGS(キングス)」や長野県などの施設で技に磨きをかけてきた。

 日本で最初に誕生したエアマット施設が神戸市北区の「神戸KINGS」。スキーが趣味だった創業者の押部(おしべ)宣広さん(45)が「まずは自分が跳ぶために」と2003年6月に開業した。ジャンプ台には板を傷めない特殊な人工芝を張り、マットは摩擦が起きにくく、耐久性のある素材を独自開発。実家が鉄工所で、物理の知識を応用して作り上げたという。

 開業から数年は客もあまり来なかったが、評判は口コミで広がり、のれん分けしたエアマット施設が10年に福岡県に完成。予算や技術などのノウハウを教え、フランチャイズ展開した。現在、エアマット施設は国内外に10カ所以上ある。

 15年前に趣味から発展した技術が日本代表選手の強化につながり、押部さんは「国武君は小さい頃から両親とよく来てくれていた。何百回と跳ぶうちに自然とうまくなっていったのだと思う。もともとは一般向けだったが、五輪で活躍する選手が出てきたのは素直にうれしい」と話している。

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