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【平昌五輪】「怒ったネコ」から駆け上がった小平…金メダルの秘密を分析 

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「怒ったネコ」から駆け上がった小平…金メダルの秘密を分析 

平昌五輪スピードスケート女子500mで金メダルの小平奈緒。左は結城匡啓コーチ=2月18日、韓国・江陵オーバル(納冨康撮影) 平昌五輪スピードスケート女子500mで金メダルの小平奈緒。左は結城匡啓コーチ=2月18日、韓国・江陵オーバル(納冨康撮影)

 「Boze kat(ボーズ・キャット)」。オランダ語で「怒ったネコ」を意味する言葉が、日本のスピードスケート女子の第一人者でありながら前回ソチ大会まではくすぶっていた小平奈緒の能力を開花させるきっかけになった。

 オランダでの小平の愛称ともなったこの言葉を授けたのは、1998年長野大会などで3個の金メダルを獲得し、小平が同国留学中に所属したプロチーム「チーム・コンティニュ」でコーチを務めていたマリアンヌ・ティメル。重心を低くしようと前屈み気味になっていた小平の上体を起こさせるため、分かりやすく例えたのだ。

 ティメル・コーチの指摘で上半身をやや起こすようにした小平は、2014~15年シーズンに初めてのワールドカップ総合優勝を果たした。ただこの段階では、ベストタイムはあまり伸びていない。さらなる磨きをかけたのは大学時代から指導してきた結城匡啓(まさひろ)コーチの眼力だ。

 「(怒ったネコのように)肩を上げることで、反力で股関節が下がる。ティメルの狙いは、下半身は韓国選手のような低い姿勢、上半身はオランダ選手のような肩を上げた姿勢だ」とアドバイス。小平が16年春に帰国してからは二人三脚で理想のフォームを追求してきた。

 小平は昨季終盤の17年3月、カナダ・カルガリーで自身初の36秒台のタイムをマーク。そして自己最高の状態に体を仕上げて臨んだ今季は、同12月に米国・ソルトレークシティーで世界記録に0秒14差に迫る36秒50を出している。

 いずれも空気が薄く記録が出やすい高地とはいえ、結城コーチは「スケートの刃がずっと氷につき、長く押している。(左右の蹴り足を切り替える)つなぎの部分がものすごくなめらかになった」と分析する。小平がいう「地をはうスーパーカーのような滑り」が完成の域に近づいたことで、悲願の金メダルはもたらされた。(大宮健司)

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