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【三井美奈の国際情報ファイル】「慰安婦勧告」またか 国連信仰が生んだ出口なき“人権外交”

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【三井美奈の国際情報ファイル】
「慰安婦勧告」またか 国連信仰が生んだ出口なき“人権外交”

8月17日、ジュネーブの国連人種差別撤廃委員会で報告する日本政府代表の大鷹正人・国連担当大使(中央、三井美奈撮影) 8月17日、ジュネーブの国連人種差別撤廃委員会で報告する日本政府代表の大鷹正人・国連担当大使(中央、三井美奈撮影)

 今回、委員会が力を発揮したのは、中国の審査だった。マクドゥーガル委員が新疆(しんきょう)ウイグル自治区で「100万人が強制収容されている」と追及した。自治区での入札記録からドイツ人研究者が算出した、執念のデータだ。中国は普段なら黙殺したろう。国連の場では反論しながら、強制収容所の存在を認めざるをえなかった。

 対日審査の傍聴には約100人が集まった。リベラル派の人権NGOに対し、「負けてはならぬ」と保守派も結集。与野党の国会議員まで来ていた。まるで「場外戦」だ。夏休みで庁舎が閑散とする中、国連職員も「何事か」と驚いた。

 慰安婦問題で盛り上がるのは、国連信仰の強い東アジアならではの現象だ。欧州は勧告を受けても、「それぞれ主張すればよい」とけっこうドライなのだ。

 シリアやイエメンではいまも紛争が続き、アジアでは少数民族ロヒンギャの迫害が深刻する。切迫した問題への対応こそ、国連人権外交の役割だろう。桃源郷で言いっぱなしの論議を続けていては、ジュネーブの人権外交は存在意義を失ってしまう。場外戦にかまけている場合ではない。(パリ支局長)

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