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【原発最前線】トリチウム含む処理水の海洋放出に批判続出 「報道」が反発煽る? 公聴会の議論かみ合わず

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【原発最前線】
トリチウム含む処理水の海洋放出に批判続出 「報道」が反発煽る? 公聴会の議論かみ合わず

東京電力福島第1原発の処理水をめぐり開かれた公聴会=8月30日、福島県富岡町の町文化交流センター学びの森 東京電力福島第1原発の処理水をめぐり開かれた公聴会=8月30日、福島県富岡町の町文化交流センター学びの森

 もう一つは、トリチウムの性質について認識が共有されていないことだ。小委は風評被害対策が大きな検討テーマで、風評被害の意は「根拠のない噂や憶測などで発生する経済的被害」(大辞林)とされる。公聴会の資料は「トリチウムは自然界にも存在し、全国の原発で40年以上排出されているが健康への影響は確認されていない」と管理下での安全性を強調したが、海洋放出に反対する人の大半はこの前提に立たず、トリチウムを含んだ水を放出すること自体を危険とみなした。「風評ではなく実害」の立場では、風評被害対策の議論は成り立たない。

規制委員長批判も

 処分方法について海洋放出の「結論ありき」という受け止めも、掛け違いの一因となった。

 タスクフォースでは平成28年6月、処分方法を地層注入▽海洋放出▽水蒸気放出▽水素放出▽地下埋設-の5つに絞り込み、同年11月に設置された小委はメンバーに社会学者を入れてさらに検討を加えている。前出資料では海洋放出がコスト面などで有利なことが読み取れるが、小委として結論は出していない。

 ところが、廃炉作業の安全性を監視する原子力規制委員会では、更田(ふけた)豊志委員長が科学的見地から「希釈して海洋放出が現実的な唯一の選択肢」と記者会見で述べている。意見表明者からは「規制委が汚染水海洋投棄の旗振りをしているのは本末転倒だ」などと批判も出た。

 「結論ありき」の指摘に小委の委員が「(海洋)放出とは一切言っていない。勝手に言っているのは原子力規制庁だ」と強い口調で反論する場面もあった。

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