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【原発最前線】トリチウム含む処理水の海洋放出に批判続出 「報道」が反発煽る? 公聴会の議論かみ合わず

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【原発最前線】
トリチウム含む処理水の海洋放出に批判続出 「報道」が反発煽る? 公聴会の議論かみ合わず

東京電力福島第1原発の処理水をめぐり開かれた公聴会=8月30日、福島県富岡町の町文化交流センター学びの森 東京電力福島第1原発の処理水をめぐり開かれた公聴会=8月30日、福島県富岡町の町文化交流センター学びの森

 東京電力福島第1原発にたまり続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水の問題について、国の有識者会議が8月末に福島県と都内で開いた初めての公聴会は、解決の「困難さ」を世に示す機会となった。有力視された海洋放出には反対意見が相次ぎ、合意形成の道筋は見えていない。(社会部編集委員 鵜野光博)

「前提」にズレ

 公聴会は8月30日に福島県富岡町、31日に同県郡山市と都内で開かれ、それぞれ14人、14人、16人が意見表明者として参加した。事務局の資源エネルギー庁によると、公募の申請者が10~15人の想定数にほぼ収まったため、抽選は行わなかったという。

 3会場では処理水の海への放出に反対する意見が大半を占めた。ただ、議論の前提で複数の掛け違いが生じていた。

 その原因の一つは、公聴会前の8月19日以降、処理水を貯蔵しているタンク内にトリチウム以外の放射性物質が残っていると一部で報じられたことだ。公聴会の主催は「多核種除去設備等処理水の取り扱いに関する小委員会」で、先行設置された「トリチウム水タスクフォース」以来、有識者は足かけ6年にわたってトリチウムを含んだ処理水の処分策について検討してきた。しかし、タンク内にヨウ素129などが残留しているとの報道を受け、意見表明者の多くは「公聴会の前提が崩れた」と批判し、予定通り開催したことに抗議する人もいた。

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