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【ワシントン経済リポート】トランプ政権をどう攻略? “別の道”選んだ日本とEU

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【ワシントン経済リポート】
トランプ政権をどう攻略? “別の道”選んだ日本とEU

 日米の新たな閣僚級貿易協議に臨む茂木経済再生相(右)とライトハイザー米通商代表部代表(手前左)=8月9日、ワシントン(代表撮影・共同)  日米の新たな閣僚級貿易協議に臨む茂木経済再生相(右)とライトハイザー米通商代表部代表(手前左)=8月9日、ワシントン(代表撮影・共同)

 ライトハイザー氏は過去の議会証言などで、米国にとって公正な貿易を勝ち取るために、追加関税の発動も辞さない強硬な考えを披露してきた。実際、トランプ政権下でまとめた韓国との自由貿易協定(FTA)見直しでは、やはり鉄鋼輸入量の割当制を韓国側に飲ませている。

 米ホワイトハウス内で、トランプ大統領に助言する側近のうち、ライトハイザー氏や、中国への対抗姿勢を示すナバロ大統領補佐官(通商製造政策局長)らが、対外姿勢の「強硬派」とされる。一方、クドロー氏やムニューシン財務長官は、金融市場に通じ、自由貿易を重視する「穏健派」に位置づけられる。

 日本政府はFFRで、「こわもて」のライトハイザー氏を交渉相手に選んだわけだが、関係者によると、政府内には「クドロー氏にアプローチすべきだ」との意見もあったという。日本政府内や産業界には「茂木-ライトハイザー会談」の行方に気をもむ向きもある。

 ただ、穏健派に属するムニューシン氏が担当した5~6月の中国との閣僚協議では、いったんは米中両政府が合意したはずの「関税の棚上げ」が、なし崩しになった。米国は7月上旬、知的財産侵害を理由とした巨額の対中制裁を発動。中国側も即座に報復措置を実施し、米中の対立は泥沼化している。

 米国とEUは最終的な合意に向けて協議を急ぐが、米中協議のような大統領の“心変わり”の可能性は排除できない。ライトハイザー氏は政権内でもっとも貿易問題に通じており、トランプ氏への影響力は依然として大きい。EUと中国、日本は、異なる米政権のキーマンを交渉相手に選んだが、最終的な「トランプ政権攻略法」の答えは、まだ明らかではない。(ワシントン 塩原永久)

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