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【国際情勢分析】カスピ海は湖か? 海か? 20年越しの論争が決着 権益めぐりイランが譲歩、背景に米の圧力

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【国際情勢分析】
カスピ海は湖か? 海か? 20年越しの論争が決着 権益めぐりイランが譲歩、背景に米の圧力

「カスピ海の法的地位に関する協定」に調印し、手を取り合う(左から)アゼルバイジャンのアリエフ大統領、イランのロウハニ大統領、カザフスタンのナザルバエフ大統領、ロシアのプーチン大統領、トルクメニスタンのベルドイムハメドフ大統領=8月12日、カザフスタン・アクタウ(AP) 「カスピ海の法的地位に関する協定」に調印し、手を取り合う(左から)アゼルバイジャンのアリエフ大統領、イランのロウハニ大統領、カザフスタンのナザルバエフ大統領、ロシアのプーチン大統領、トルクメニスタンのベルドイムハメドフ大統領=8月12日、カザフスタン・アクタウ(AP)

 世界最大の湖として知られるカスピ海は、湖か? 海か? 湖と海では各沿岸国が得られる権益が大きく異なるため、20年以上にわたってロシア、イランなど沿岸5カ国が論争を繰り広げてきたが、事実上「海」で決着した。カザフスタンで8月12日に開催された5カ国の首脳会議で、湖であるとこれまで強硬に主張してきたイランが譲歩したためだ。背景には、トランプ米政権によるイラン制裁再発動で懸念される国際的孤立を回避し、ロシアなどとの関係強化を図る方が国益にかなうとの現実的判断があったとみられる。(外信部編集委員 佐渡勝美)

領海設定で事実上「海」

 カザフスタンのカスピ海に臨む港湾都市、アクタウで開かれた首脳会議は、同国のナザルバエフ大統領が議長を務め、ロシアのプーチン大統領、イランのロウハニ大統領、アゼルバイジャンのアリエフ大統領、トルクメニスタンのベルドイムハメドフ大統領が一堂に会した。

 首脳たちが調印したのは「カスピ海の法的地位に関する協定」。内容の詳細は公表されていないが、ロイター通信などによると、(1)各国沿岸から15カイリ(約28キロ)をそれぞれの領海とし、25カイリを排他的漁業水域とする(2)沿岸国以外の軍がカスピ海に入るのを認めない(3)領海外の地下資源の分配については継続協議とし、湖底へのパイプライン設置は当事国同士の合意で認める-が、骨子とされる。

 協定では、湖か海かについては直接、言及されなかったが、沿岸線に応じて領海が設定されたことが注目された。事実上、カスピ海を法的に「海」と位置づけたことを意味するからだ。

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