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【ビジネス解読】中国の「鉄道頼み」に危うさ 経済の〝アキレス腱〟過剰債務解消に逆行

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【ビジネス解読】
中国の「鉄道頼み」に危うさ 経済の〝アキレス腱〟過剰債務解消に逆行

北京南駅で出発を待つ中国の高速鉄道「復興号」=2017年9月(共同) 北京南駅で出発を待つ中国の高速鉄道「復興号」=2017年9月(共同)

 しかし、インフラ投資の拡大は、中国経済の「アキレス腱(けん)」とされる過剰債務問題を深刻化させる恐れがある。リーマン・ショック直後、中国政府は総額4兆元もの大型景気対策を打ち出し、各地ではインフラ投資が大盛況となった。だが、銀行融資などの「借金頼み」だったため、巨額の債務が積み上がった。国際決済銀行(BIS)によると中国の金融部門を除く総債務の国内総生産(GDP)比は、08年の141%から17年には255%にまで拡大している。

貿易紛争の激化

 政府は、過剰債務の解消に向けた構造改革を重視する姿勢に転じ、インフラ投資を抑制。中国国家統計局が8月14日に発表した1~7月の固定資産投資は前年同期比5.5%増で、伸び率は1~6月と比べ0.5ポイント縮小し、記録が確認できる1998年以降で最低となった。鉄道投資が抑えられたのも、こうした流れに沿うものだった。

 それが、構造改革よりも目先の景気安定を優先する姿勢に戻らざるを得なくなったのは、貿易戦争の激化で頼みの外需に不安が漂い始めた影響が大きい。だが、「負債率が比較的高い」(肖氏)という鉄道投資などへの依存は、過剰債務の解消を放棄したとも映る。実際、中国財政省は8月14日、地方政府に地方債発行を加速するよう指示し、公共事業の拡大を促した。

 中国の過剰債務問題は、デフォルト(債務不履行)の拡大で金融システム不安に発展し、経済の急激な収縮を招く懸念がある。GDP世界第2位の中国経済の変調は、世界経済に大きな打撃を与えるのは確実だ。

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