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サラリーマン漫画が予見した「未来」 父権喪失から失われた20年まで

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サラリーマン漫画が予見した「未来」 父権喪失から失われた20年まで

「サラリーマン漫画展」ポスター 「サラリーマン漫画展」ポスター

父権喪失

 例えば、古谷三敏さん(82)の「ダメおやじ」は、父親が一家の大黒柱とされていた昭和45年に連載が始まった。会社ではさえない。自宅に帰っても“オニババ”と呼ぶ妻には食事を作ってもらえず、息子、娘にはバカにされるか無視される哀れな雨野ダメ助(あまの・だめすけ)。テレビアニメ化、映画化された。

 「会社のため懸命に働く“モーレツ社員”という言葉が使われた時代に、ダメおやじは正反対の存在として描かれた。家庭内の父親の序列が徐々に崩れていったため、時代を先取りしたと見ることもできる」と天田学芸員は話す。

脱成長論

 やまさき十三さん(77)と北見けんいちさん(77)の「釣りバカ日誌」はオイルショック後の低成長が常態化していた54年に連載が始まり、現在も続く。落ちこぼれ万年ヒラ社員の浜崎伝助は、会社トップと同じ趣味(釣り)での才能が幸いし、社内に居場所を確保。ただ、それをいかして出世しようとの願望はない。

 本展の監修を務めたサラリーマン兼ライターの真実一郎(しんじつ・いちろう)氏は平成22年に出した著書「サラリーマン漫画の戦後史」(洋泉社)のなかで、「ハマちゃん的なサラリーマンを待ち受けるのは“優雅な衰退”かも」と記した。あれから8年。改めて考察してもらった。

 「大企業に所属していれば、あとは趣味を充実させて優雅に暮らすほうが豊かだ-という提案だった。しかし、『脱成長論』は成長している時代だったからこそ理想論として魅力があった」

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