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「社会福祉ヒーローズ賞」創設、初代“ヒーロー”は君だ! 現場の若手にスポットライト

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「社会福祉ヒーローズ賞」創設、初代“ヒーロー”は君だ! 現場の若手にスポットライト

「社会福祉ヒーローズ」ベスト・ヒーロー賞2018に輝いた櫛田啓さん(左)と一緒に遊ぶ子供たち(みねやま福祉会提供) 「社会福祉ヒーローズ」ベスト・ヒーロー賞2018に輝いた櫛田啓さん(左)と一緒に遊ぶ子供たち(みねやま福祉会提供)

 その結果、施設の子供たちは地域の夏のラジオ体操や秋祭りに参加したり、町会・自治会の子供会に入会したりできるようになった。何十年も開催されていなかった地域の新年会が復活した。

 「そもそも子供が少なかった地域で、施設の子供たちが来たことで人々に役割ができ、子供たちの世話を通じて人々がつながり、元気になっていった」

■ごちゃまぜの力

 「老いも若きも、障害がある人もない人も、地域の人をごちゃまぜにする福祉は、人々を元気にする」ということに櫛田さんは気づいた。

 「リハビリが大嫌いなおじいちゃんも、かわいい子供に会いにいくために自分で歩行器を使う。グラスや陶器を割って意思を伝える自閉症の子も、ほかの子供がいるところでは物を割らずに、スタッフの袖を引っ張って伝えてくれるようになった」

 ベスト・ヒーロー賞は、このごちゃまぜの試みが評価された。「ごちゃまぜには、人と人が支え合い、手を取り合って生きていく、そんな心豊かな社会へ世の中を変革する力がある」(櫛田さん)

 空き瓶を投げつけてきた少年も大人になった。3年ほど前に一緒に食事に行った。少年は「見捨てないでいてくれてありがとう。俺、今は生きていてよかったって思えるようになったから」と伝えたという。

 「私の人生でもっともうれしいできごとだった。彼はいまボクシングに熱中している。心配事は尽きないけれど、出会えて本当によかった」(文化部・牛田久美)

 社会福祉ヒーローズ 主催は「全国社会福祉法人経営者協議会」(東京都千代田区)。社会福祉ヒーローズは、前向きな変革に向けて取り組む職員をヒーローと呼び、この分野の明るいイメージを広げ、働く価値を理解してもらい、熱意ある若者を呼び込もうと創設された。

 東京都港区で3月に開かれた「社会福祉ヒーローズ(HERO’S)」では、全国の5府県から若手6人のヒーローが日々の仕事をプレゼンテーション。会場の大学生らが投票し、初代のベスト・ヒーローに「“ごちゃまぜ”で支え合いの社会をつくっていく」と題して発表した櫛田さんの取り組みが選ばれた。

 各ヒーローの演題は次の通り。「老人ホームの機能で地域の『生活インフラ』を支える」(秋田・愛生会の大里千尋さん)▽「子どもの可能性を引き出す教育メソッドで保育の質を変える」(徳島・あさがお福祉会の佐々木海さん)▽「広報の力で福祉のイメージを変える」(京都・南山城学園の田中楓さん)▽テクノロジーの力で介護の現場を変える」(福岡・福智会の吉岡由宇さん)▽「やる気を引き出す人材マネジメントで福祉を変える」(兵庫・大慈厚生事業会の坂本和恵さん)。

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