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【ニッポンの議論】次世代加速器建設の是非 村山斉氏「国際研究拠点に意義」 観山正見氏「国民の共感得られず」

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【ニッポンの議論】
次世代加速器建設の是非 村山斉氏「国際研究拠点に意義」 観山正見氏「国民の共感得られず」

村山斉・米カリフォルニア大バークレー校教授(右)、観山正見・広島大特任教授(伊藤壽一郎撮影) 村山斉・米カリフォルニア大バークレー校教授(右)、観山正見・広島大特任教授(伊藤壽一郎撮影)

 --科学技術予算を圧迫するか

 「推進側は、文部科学省の科学技術予算ではない別の枠組みの資金で建設し、他分野の研究予算は圧迫しないと主張するが、具体的説明が全くない。学術研究の施設なので、将来を考えたら文科省の科学技術予算を使わずにいられるわけがない。方策があるなら具体的に説明する必要があり、そうでないと、研究予算を圧迫される可能性がある多くの科学者が賛同しない」

 --国民の理解は得られるか

 「巨費を投じる以上、そんなすごいことをやるならと国民が納得して、わくわく感や期待感を持てないと困る。単にヒッグス粒子の詳細実験ができるといわれても、国民は共感できない。現時点では全く国民に伝わっていないと思う。それ以前に、国民のほとんどが構想を知らないのではないか。関心以前の問題だ。実現の大前提は国民の理解を得ることだが努力が足りない」

 --欧州の新計画を理由に、政府は年内の態度表明を求められている

 「欧州が本当にILCの重要性を認めているなら、年内に表明をしなくてもいつでも素粒子物理学研究の新計画に盛り込むはずだ。また計画に盛られたからといって、必ず欧州が費用を出すことにはならない。これは日本に建設することが前提の議論でしかない。ただ、日本に国際的研究拠点ができることには意義がある。期限ありきではなく、国は十分に慎重な議論や手続きを踏んだ上で態度を表明すべきだ」

 <みやま・しょうけん>昭和26年、広島県生まれ。京都大大学院理学研究科博士後期課程修了。平成24年から現職。専門は理論天文学。ILC構想の妥当性を検証する文部科学省有識者会議の委員を務めた。

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