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紫電改と原爆投下機 接収された日本陸海軍戦闘機のいま

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紫電改と原爆投下機 接収された日本陸海軍戦闘機のいま

 紫電改と原爆投下機に因果関係はないのだが、日本人としては非常に感慨深い展示である。また米国立太平洋戦争博物館に静態展示されている、紫電改の母体となった水上戦闘機・強風も、大戦機ファンには非常に興味深いだろう。

米国立空軍博物館(オハイオ州)で長崎へ原爆を投下したB-29“ボックスカー”の後方に展示される紫電21甲型。紫電改が2機とも原爆投下機と並んで展示されているのは、偶然の一致なのだろうか?(Photo:Atsushi 米国立空軍博物館(オハイオ州)で長崎へ原爆を投下したB-29“ボックスカー”の後方に展示される紫電21甲型。紫電改が2機とも原爆投下機と並んで展示されているのは、偶然の一致なのだろうか?(Photo:Atsushi "Fred" Fujimori)

 岐阜かかみがはら航空宇宙博物館に静態展示されている陸軍三式戦闘機・飛燕も、実は米軍接収機だ。敗戦後、米軍に接収されてジョンソン空軍基地(現・航空自衛隊入間基地)の展示機となり、後に日本へ返還された機体である。そして紆余曲折を経て、飛燕を製造した川崎航空機の後身・川崎重工が、2015年より本格的な復元作業に取り組んだ結果、現在の完璧な姿を取り戻したのだ。

米国立空軍博物館の修復施設で、復元作業中の紫電改。同博物館は世界有数の大規模修復施設を設けており、その技術力と復元忠実度の高さには定評がある(Photo:Atsushi 米国立空軍博物館の修復施設で、復元作業中の紫電改。同博物館は世界有数の大規模修復施設を設けており、その技術力と復元忠実度の高さには定評がある(Photo:Atsushi "Fred" Fujimori)

 「刀剣・鎧甲冑は美術品、工芸品だが、戦闘機は忌むべき人殺しの道具」といった珍妙な解釈が、いまだにまかり通る日本では、極めて例外的な事象であり、まことに幸運な米軍接収機である。

米国立太平洋戦争博物館(テキサス州)に展示されている強風11型。水上戦闘機の本機を陸上戦闘機に改修したのが紫電11型、それをさらに改修したのが紫電21型=紫電改なのだ(Photo:Atsushi 米国立太平洋戦争博物館(テキサス州)に展示されている強風11型。水上戦闘機の本機を陸上戦闘機に改修したのが紫電11型、それをさらに改修したのが紫電21型=紫電改なのだ(Photo:Atsushi "Fred" Fujimori)

 【プロフィル】藤森篤(ふじもり・あつし)

 日本大学理工学部航空宇宙工学専修コースで、零戦設計主務者・堀越二郎博士らに学ぶ。30余年間、飛行可能な第二次大戦機の取材撮影をライフワークとする。著書は「零戦五二型・レストアの真実と全記録」(エイ出版社)など。

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