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【中東ウオッチ】石油大国の大改革 サウジ皇太子、最大の敵は「国民のぬるま湯体質」

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【中東ウオッチ】
石油大国の大改革 サウジ皇太子、最大の敵は「国民のぬるま湯体質」

首都リヤドの運転教習所では、黒づくめの衣装「アバヤ」を来た女性たちが女性教官の話に耳を傾けていた(佐藤貴生撮影) 首都リヤドの運転教習所では、黒づくめの衣装「アバヤ」を来た女性たちが女性教官の話に耳を傾けていた(佐藤貴生撮影)

背景には原油価格の下落による財政難がある。2014年暮れから急落した原油価格は15年1月、約6年ぶりに1バレル=50ドルの大台を割り込み、国の財政の大半を占める原油売却収入が落ち込んだ。政府が社会・経済改革「ビジョン2030」を発表したのは翌16年春のことだ。

サウダイゼーション

 サウジの人口約3300万人のうち、約1000万人は外国人が占める。他の湾岸諸国に比べれば外国人の比率は低い方だが、サウジ人の就労層を増やす「サウダイゼーション」(サウジ人化)は長年の課題となってきた。外国人が多ければ海外に流出するカネも増え、国内の経済活性化に結びつかないからだ。

 在サウジの西側の経済ウオッチャーは、「ムハンマド皇太子はサウダイゼーションに本気で取り組んでいる初めての指導者ではないか」と評する。人口増加率が年2%を超える中で若年層の失業率は20%以上に達しており、オイルマネーが目減りすれば、これまでのように国民を養っていけなくなるという危機感があるのだ。

 サウダイゼーションに関連する政府の改革は外国人労働者にも及ぶ。昨年には仕事がある家長らに限られていた外国人登録料の支払いを家族の人数分に拡大し、今後も増額する方針を打ち出した。これにより、「昨年だけで100万人以上がサウジを後にした」(西側外交筋)といわれ、今年は女性の運転解禁で外国人の雇われドライバーの失職も増えている。いうなれば、外国人を出国させてその職にサウジ人にあてがう「ショック療法」だ。

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