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【昭和天皇の87年】世界が驚嘆した東郷ターン 「決戦は三十分で片が付いた」

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【昭和天皇の87年】
世界が驚嘆した東郷ターン 「決戦は三十分で片が付いた」

画=井田智康 画=井田智康

 バルチック艦隊も果敢に砲撃し、旗艦三笠は多くの命中弾を受けたが、巧みな艦隊運動で先頭を圧し続ける連合艦隊の優位は変わらない。

 間もなく敵の各艦に大火災が起こり、濛々たる爆煙が海と空を覆った。互いに飛び交う砲弾はやがて一方向にのみ流れ、風を切り、空を裂いた。

 セメヨノフの言葉を借りれば、それはもはや「戦闘ではない。射撃教練…」だった。

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 連合艦隊の先任参謀、秋山真之はのちに「決戦は、三十分間で片が付いた」と語っている。事実、三笠の第1弾からほぼ30分後の午後2時40分、猛火と爆煙に包まれた敵の艦影が視認できなくなり、連合艦隊が一次砲撃を中止したほどだ。

 ことに先頭のスウォーロフとオスラービャの損傷は激しく、午後2時50分、まずスウォーロフが舵機を破壊されて艦列から落伍し、午後3時7分、オスラービャが沈没した。

 旗艦を失った後続の各艦は散り散りとなり、懸命に逃走を図るも連合艦隊に追い詰められ、午後7時20分までに戦艦アレクサンドルⅢ世、同ボロジノ、仮装巡洋艦ウラル、工作船カムチャッカが海の藻くずと消えた。

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