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【昭和天皇の87年】いざ決戦へ、錨を上げた連合艦隊 「本日天気晴朗ナレドモ波高シ」

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【昭和天皇の87年】
いざ決戦へ、錨を上げた連合艦隊 「本日天気晴朗ナレドモ波高シ」

画=井田智康 画=井田智康

 期限の26日早朝、軍令部から待ちに待った情報が届く。敵の運送船など8隻が前日に上海港外の呉淞(ウースン)に入港したというのだ。これで、バルチック艦隊がまだ東シナ海にいる可能性が高まった。当初の予想通り、間もなく対馬海峡を通過するに違いない。

 五島列島沖合を警戒中の仮装巡洋艦信濃丸が、「敵艦隊ラシキ煤煙見ユ」との一報を打電したのは27日午前4時45分である。

 いよいよ決戦だ。

 旗艦三笠は錨(いかり)を上げた。

 「敵艦見ユトノ警報ニ接シ 連合艦隊ハ直ニ出動 之ヲ撃滅セントス 本日天気晴朗ナレドモ波高シ」(※2)

(社会部編集委員 川瀬弘至 毎週土曜、日曜掲載)

(※1)密封命令とは、事前に渡していた封書を、指定時刻に開封して実行する命令

(※2)連合艦隊が大本営に発した明治38年5月27日早朝の電報。先任参謀の秋山真之が起草したとされる

【参考・引用文献】

○レンガート著『旅順・松山の歌』(新時代社)

○真鍋重忠著『日露旅順海戦史』(吉川弘文館)

○小笠原長生編著『東郷元帥詳伝』(春陽堂)

○小笠原長生編著『聖将東郷全伝』2巻(国書刊行会)

○水野広徳著「軍議 日本海々戦秘録」(雑誌『中央公論』昭和2年6月号所収)

○軍令部編『極秘明治三十七八年海戦史』第2部1巻

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