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【クローズアップ科学】猛暑の東京五輪を冷やせ! ぬれない霧、多肉植物、スパコン…ヒートアイランド対策の研究進む

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【クローズアップ科学】
猛暑の東京五輪を冷やせ! ぬれない霧、多肉植物、スパコン…ヒートアイランド対策の研究進む

2017年8月の関東地方の平均気温(気象庁提供) 2017年8月の関東地方の平均気温(気象庁提供)

 猛暑の街のラグビーW杯も模擬解析で冷却

 スーパーコンピューターによるシミュレーション(模擬解析)を、会場周辺の環境づくりに生かす取り組みもある。海洋研究開発機構は、複数の五輪競技の開催が予定されている東京湾臨海部の緑地面積と暑さの関係について、所有するスパコン「地球シミュレータ」で模擬解析を行った。

 臨海部では、2020年までに緑地をさらに充実させる計画が進んでいる。同機構は「緑地面積が解析時点の状態の場合」「緑地がないと仮定した場合」「緑地を充実させた場合」の3想定で、競技場への通路・道路の地上気温を調べた。

 その結果、解析時点の状態は緑地がない場合よりも0・54度低く、緑地を充実させればさらに0・05度下げられると判明。緑地の冷却効果、ヒートアイランド抑制効果が確かめられた。

 同機構はこの手法で、来年開かれるラグビーワールドカップ日本大会の会場の一つ、埼玉県熊谷市の熊谷ラグビー場の周辺についても今年6月、模擬解析の結果を発表した。熊谷市は07年、当時の日本最高気温となった40・9度を記録。猛暑の街として知られる。

 解析の結果、緑地を設けて日陰を増やし、通路も遮熱舗装にするなどにより、地表面の温度が9度低下し、高さ1・5メートルの平均気温も0・9度下がることが分かった。

 埼玉県はこの結果に基づき、ラグビー場周辺の環境整備を正式決定。模擬解析からヒートアイランド対策が策定された全国初のケースで、五輪向けに開発された技術が早くも広がりを見せる結果となった。(科学部 伊藤壽一郎)

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