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【久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ】「非核化」を“核軍縮交渉”に転落させた米朝首脳会談の米戦略ミス

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【久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ】
「非核化」を“核軍縮交渉”に転落させた米朝首脳会談の米戦略ミス

 共同声明の署名を終え、トランプ米大統領(右)の背中に手をやる北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=12日、シンガポール(ロイター)  共同声明の署名を終え、トランプ米大統領(右)の背中に手をやる北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=12日、シンガポール(ロイター)

 米国がリビアの非核化に成功した唯一の理由は、米国がカダフィ大佐に「斬首作戦」を突きつけ、「命を取るか、核開発を取るか」と迫ったからだった。北朝鮮の場合、この脅しに当たるのが大規模な米韓軍事演習であった。軍事オプションを外した北朝鮮との取引は、戦略的決断を迫るものとはなり得ない。

非核化は核軍縮交渉

 北朝鮮は2012年4月の最高人民会議の憲法修正で憲法に「核保有国」と明記した。このため北朝鮮はこれまで、国際社会に核保有を認知させたうえで米国と「核軍縮交渉」に臨むことを主張してきた。

 金正恩氏が祖父・金日成(イルソン)、父・金正日(ジョンイル)から受け継いできた「朝鮮半島の非核化」とは、韓国に展開する在韓米軍の核の傘を含む朝鮮半島全体の非核化のことだ。彼らのいう「核軍縮交渉」は在韓米軍撤退が含まれ、その第1段階が米韓合同演習の中止である。トランプ氏はこの第1段階を実施したのだから、北朝鮮からすればこの交渉は「核軍縮交渉」になるわけだ。

 北朝鮮にとって核兵器は、1950年代から70年もの時間をかけて心血を注いできた金一族の「生命維持装置」だ。「非核化」は生命維持装置を交渉材料とする。祖父や父は「核武装で米国に対峙しろ」と遺言したが、「それを捨てろ」とは言っていない。

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