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【田村秀男のお金は知っている】物価上昇に懐は耐えられるか 収入増えないと…消費抑制でデフレ呼び込む

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【田村秀男のお金は知っている】
物価上昇に懐は耐えられるか 収入増えないと…消費抑制でデフレ呼び込む

名目と実質GDP前年比伸び率の推移 名目と実質GDP前年比伸び率の推移

 ここでグラフを見よう。17年後半から、わずかとはいえ名目成長率が実質成長率を上回るようになった。1997年から始まった「20年デフレ」は物価下落が続く結果、われわれの生活実感を反映する名目経済成長率がゼロ以下となり、実質成長率よりも低かった。

 そのトレンドがようやく逆転し、景気の正常化の兆しが見えているのだが、気になることがある。インフレ率がプラスになっても、名目、実質とも家計消費を含め国内総生産(GDP)が減速している。名目の家計収入の伸び率が物価上昇率に追いつかないと、実質収入がマイナスになる。

 物価上昇は脱デフレの条件ではあるが、収入がそれ以上に増えないと、デフレを呼び込む「悪い物価上昇」になる。懐具合を気にするサラリーマンや主婦も、物価の値上がりを警戒して、消費抑制に走るからだ。

 その気配がすでに出ているようだ。石油製品値上がり分の価格転嫁も進む。安倍政権は緊縮財政をきっぱりと止め、財政支出を着実に拡大する一方で、日銀はぶれずに金融緩和を続けるべきだ。来年秋の消費増税どころではない。(産経新聞特別記者・田村秀男)

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