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【田村秀男のお金は知っている】中韓首脳来日、真の魂胆は日本の円 恫喝に屈した韓国、トランプ攻勢に悩む中国

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【田村秀男のお金は知っている】
中韓首脳来日、真の魂胆は日本の円 恫喝に屈した韓国、トランプ攻勢に悩む中国

 中国もやはりトランプ攻勢に悩まされている。対米貿易黒字の大幅削減に加え、知的財産権侵害がとがめ立てられて広汎な中国製品に制裁関税が適用される。当局によってがんじがらめに規制されている金融市場の自由化・開放も迫られている。しかも、国内の企業や投資家は規制の網の目をくぐって巨額の資本を外に逃す。「米中貿易戦争勃発」ともなれば、外資を含め動揺が広がり、資本逃避が加速し、通貨危機に陥る不安が生じる。

 グラフは中国の外貨準備を海外からの対中直接投資と対比させている。外貨準備は2015年に急減した後、昨年から徐々に回復しているように見えるが、直接投資との差はわずかである。中国の外準は直接投資を通じて流入する外貨を繰り入れる「上げ底」構造にあり、いわば外資によって支えられている。外資の流入が細り、逃げ出せば、外準が空洞化しかねない。

 もちろん、年間4200億ドル(約45兆7400億円)に上る対外貿易黒字も外準の源泉だが、大半を占める対米黒字は2000億ドルの削減を迫られている。外準が3兆ドル以上あろうと見かけだけで、金融市場危機には対応できそうにない。頼みは日本のカネだ。

 沖縄県の尖閣諸島問題などを受けて13年に失効した日中通貨スワップ協定の再開に向け、北京は李首相訪日に乗じて、水面下で対日懐柔工作に懸命なのだ。(産経新聞特別記者・田村秀男)

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