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【昭和天皇の87年】首相が変心! 外相は天を仰いだ 「もはや陛下しかいない…」 

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【昭和天皇の87年】
首相が変心! 外相は天を仰いだ 「もはや陛下しかいない…」 

画=筑紫直弘 画=筑紫直弘

 鈴木の変心により、「もう駄目だ」と天を仰いだ東郷だが、「陛下」と聞いて勇気を取り戻す。

 (そうとも、ここであきらめたら国家が破滅してしまう)-

 以後、東郷を中心とする終戦派は巻き返し工作に奔走する。連合国の正式回答の公電は同日午後6時頃に届く見込みだったが、これを翌13日朝に届いたことにして時間をかせいだ。

 それでも猶予はあと半日しかない。東郷は車に飛び乗り、皇居へ急がせた。

 もはや最後の頼みは、昭和天皇しかいなかった-。(社会部編集委員 川瀬弘至 毎週土曜、日曜掲載)

【参考・引用文献】

○外務省編『終戦史録』(官公庁資料編纂会)

○『終戦史録』所収の「松平康昌口述要旨」

連合国回答とバーンズ回答 国体護持を唯一絶対の条件とし、ポツダム宣言を受諾するとした日本政府に対する連合国の回答は、中立国の在スイス日本公使と在スウェーデン日本公使に手交され、昭和20年8月12日午後6時過ぎ、両公使からの電報が外務省に入電した。だが、それより前の同日午前零時、米国務長官ジェームス・バーンズの書簡として、この回答の内容が米サンフランシスコのラジオ放送で発表され、それを外務省などが傍受。「天皇は連合軍最高司令官にsubject to(従属)する」などの文言があったことから、政府と軍部は大混乱に陥った。

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